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月に移住したい

先日、大学の講義で原始的社会から資本主義社会が形成されるまでのプロセスの解説がなされた。一般的には、原始的社会から国が生じ、奴隷制が生まれ、封建制になり、資本主義社会へと移行する。日本も多少の個性はありつつも、基本的にはこの流れに沿って社会システムが成熟した。では、資本主義社会の次はどのような社会が待ち受けているのだろうか

現状維持の時代


個人的に、キーワードになるのは「安定」なのかなと思う。
現在日本では少子高齢化が進み、未婚率や晩婚率も上昇し続けている。総人口もゆるやかに減少し始め、経済や福祉に多大な課題が発生している。これは日本が終わりに向かっているとも言えるが、単に発展段階を通り過ぎたと捉えることもできるはずだ。
高齢化が問題になっているのは子供の数に対して高齢者の数の比率が高まっているからだが、あと数十年経って年代のサイクルが回れば、子供の数は少ないけれども、高齢者の数も少なくなるという状況になるはずだ。また未婚率が下がり続けても、それが100%に至るということは考えにくく、どこかで下げ止まると考えられる。経済成長も、基本的には人口(特に若年層)に比例すると考えられる。人口が多ければ、大量の労働力を発展につぎ込めるからだ。人口が少なくなっていくにつれ発展速度は落ちていくだろうが、マイナスに転じる前に改善策が打たれるだろう。
つまり、日本はそのうち人口と発展速度がほぼ横ばいに推移する時代が来ると考えられるので、その時代には安定して「現状維持」ができるような社会システムが要求され、構築されるのではないかと思う。


私の考える限りでは、それは社会主義的なシステムに近づくような気がする。ただし、ソ連や中国の状況を見ると社会主義国として国家を存続させるのは問題が多くある。どちらかというと、資本主義社会の型を残しながらも、より強い分配システムが配置された社会になるのではないだろうか。完全な平等ではなく、競争の概念を残しながらも全ての世帯がある一定の生活水準を割らないような社会システムができることを期待している。
ただこれは封建制から資本主義への移行のような大々的な変化ではなく、割と資本主義の延長のような気がしている。まだその先に、未知の全く新しいシステムが生まれるのかもしれない

滅亡を回避する


もう一つ、「滅亡ルート」の可能性も十分にあると思う。
日本という一国で見るとゆるやかに衰退がはじまっているが、世界全体では元気に人口が増加している。他の動物でもそうだが、急激に繁栄した生物は獲物や居住地等の資源を取りつくしてしまい、個体数が減少する。人類は科学技術を活用してなんとかその繁栄を支えているが、環境問題や資源問題が常日頃叫ばれている今、いつ限界値を突破してもおかしくない。特定の資源の供給が急に止まり、人類の個体数が急減する(滅亡する)可能性もなくはないと思う。(ここでの資源は「居住空間」も含んでいる。環境問題により「居住空間」という資源が減らされてしまう危険性もあるという事だ)


滅亡を回避する道としては、一つは世界全体が上で述べたようなゆるやかな安定期に入ることだ。日本を含め先進国では少子高齢化が進んでおり、後進国もいずれはそうなることが予想される。世界全体がゆるやかに衰退、もしくは安定するフェーズまで大きな問題が発生する事が無ければ、人類は生き延びることができるはずだ。
もう一つの選択肢として、移住するという未来もある。資源が地球上に足りないのならば、別の所の資源を使えばいいという発想だ。移住先は月かもしれないし、火星かもしれないし、深海かもしれない。今人類が利用していない場所の資源を活用できるようになれば、人類はさらに繁栄することができるはずだ。
実現性は置いておいて、後者の未来が待っているとすれば相当ワクワクする。長生きしてもあまり意味がないと思っていたが、どういう未来になるのかを目撃するのは案外楽しそうだ。早く月-地球間エレベーターに俺を乗せさせてくれ。地下空間に第二の首都をつくってくれ。

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