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親知らずを抜いてきた

先日、親知らずを抜いてきた。思っていたよりも面白い体験ができたので、noteで共有したい。

親知らずを抜いたのは、歯科矯正のためだ。自分は外見的な特徴になる程の(ねずみ男みたいな)出っ歯ではないのだが、横から見ると明らかにかみ合わせが悪い。周りの人はあまり気にしていないようだが、こういうのは大抵本人が一番気にしている。ダイエットと同じだ。

ここ数年ずっと気になっていた歯科矯正。コロナ禍のマスクで口元を隠せるし、時間もあるし、金も……金はないけど、まあちょうどいいタイミングだという事で矯正をすることになった。

親知らずを抜けば歯の可動域が大きくなり、かつ治療期間も短くて済むという。これは抜かない手はない、という事で計4本の親知らずを抜くになった。

ところで、歯医者というのはとにかくイメージが悪い。漫画に出てくる強面キャラが唯一嫌がるものは歯医者が定番だし、何かと「痛い」「怖い」というイメージが先行しているのではないだろうか。特に親知らずともなると、それはそれは恐ろしい処置をされるような気がする。実際、親知らずを抜いた先輩には相当脅かされた。

だから当日は戦々恐々としていた。受験期で一番嫌なのが勉強でも模試でもなくインフルエンザのワクチン接種だった男としては、ビビッて当然なのである。歯医者に向かう原付がエンストしないか期待したが、新車で買ったHONDAのバイクは優秀だった。

しかし、先に言ってしまうと、この病院は大当たりだった。無痛治療と言っても過言ではない。注射による麻酔をする前に薬液で表面麻酔をしてくれるので、注射の痛みはほぼない。つまようじで深めにほじっているぐらいの感覚だ。もちろんその後の治療中も痛みはほとんどなかった。

そもそも、この病院は説明の段階から丁寧だった。矯正のプランを立てる時も、粘土のようなもので歯型を取りそれをパソコンに取り込んで、将来的に歯がどのように動くのかを予測した3Dモデルをつくってくれた。そして診察台の前にあるでっかいスクリーンにそれが映し出されるのである。なんて現代的で、丁寧な医院だろうと思っていた。

しかし、問題は歯を抜くときである。担当のお姉さんがいきなりでっかいペンチを持ってきて歯を抜くと言い出したのだ。さっきまでのハイテクぶりはどこへやら。最初にドリルで穴を開けるなりして抜きやすくしてからピンセット的なもので抜くのかな、なんて想定していたから、思わぬ力技に笑いそうになってしまった。

しかもこちとら、笑顔のお姉さんがでかいペンチを持っているだけでも面白いのに、抜いている最中も「フンッ…フッ……フンッ…」みたいに頑張って抜いているもんだから、面白くて仕方なかった

変に小手先の技術を使うより歯をぶっこ抜いちゃうのが一番いいのだろう。でもそこだけ原始的なのは意外なだった。あと3本親知らずを抜くわけだが、この病院なら安心だ。あと3回笑いをこらえるのを我慢しなくてはいけないのが辛いけれど。



追記:院長に別の歯を抜かれた時は、麻酔の注射が雑で痛かった。治療が痛いかどうかはお医者さんの当たりはずれもあるわけだ。でも、抜歯の処置自体は秒速で終わった。院長、気遣いはないけど技術はめっちゃある。



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