スナイパーの意外な使い方

本文

ライフルを持った少女が街を歩いていた。
暗殺のお仕事だろうか。





そうではなかった。

どうも彼女は、あえてライフルに詰め物をした状態を見せることで、敵意がないことをアピールするための用心棒らしい。



「はぁ~……。あたしは本職はスナイパーだっつーのに」

不思議な依頼をしてきたものだ。
彼女にとってご主人は災難の極みらしい。


「ふへ~。さっさとやっちまいたいけどそしたら流浪者に逆戻りだからな…………。はっきり言って気に入ってるんだよね…お屋敷…………」

少女は暇つぶしに、お菓子を作ることにした。

「さて。詰めるためのチェリーボンボンでも作ろうかな……。あ、大きすぎて入らないか」


お菓子を使えば大抵の人間は満足する。
経験上そうだった。


「はぁ~つまんな。材料ないじゃん」

お菓子作り用のサクランボがない。



少女の中で、何かが切れる音がした。



「そうだ。良い材料あったじゃん。出番だよ」

長い間眠っていた銃弾を詰め、ご主人のもとへ向かった。


参加企画


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