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『幸せなクリスマス』

私のクリスマスの想い出は、
小さなころから暖かで幸せな
記憶ばかり。

ツリーの飾られた部屋で、いつもより少しだけ豪華な食事とホールのケーキ!
両親や親しい人からプレゼントを貰ったり、クリスマスパーティーに呼ばれたり。

クリスマスイブにデートをして、
手袋をしていない私の手を、彼が
自分のコートのポケットに入れてくれて、それが初めて手を繋いだ日になった想い出。

仲良しグループでクリスマスに集まって、クリスマス仕様に飾ったサンドイッチやクッキーを一緒に作って、プレゼントを交換したり、ゲームやお喋りをした学生時代。

大人になってからも、クリスマスは誰かの家で集まってケンタッキーや鍋パーティー、焼肉パーティー、と何かと理由をつけては飲み会をした。

結婚してからは、親しい友人と会ってお互いが気に入りそうなプレゼントを持って、ランチに行くことが増えた。

夜は旦那さんがケーキやオードブルを買って来てくれるので、私はパスタを作るぐらいで、事前にネットで買っておいた、安くて美味しいシャンパンを開けたら、充分幸せなクリスマスを過ごすことが出来た。

夫婦間のプレゼントは好き嫌いがあるので、一緒に買いに行ったり欲しがってた物を買うようにしていた。

結婚前は2人とも若くて全然お金が無くて。何となくクリスマスの街をうろうろと歩いてウィンドーショッピングだけ、という年があった。
全く何も無いのも寂しいので、2人で小銭を出しあって、手のひらに乗るくらいのクマのプーさんを一つだけ買った。
それだけで充分幸せで楽しかった。

クリスマスはそういう幸せな日なのだと、誰かと幸せに過ごす日なのだと、ずっと思っていた。 

旦那さんがクリスマスに何も買って来なくなり、次の年は男同士で飲み会があると出掛けてしまい1人で過ごした。

明らかにおかしい彼に対して、私は何も聞けなかった。聞けば全てが終わる予感がしていた。

その頃には、私の誕生日も大晦日の年越しも同じ理由で1人で過ごした。
寂しいというより、大切にされていないことが悲しかった。
結局、私という人間の尊厳が守られていないことにやっと気付いて、そんな暮らしを続けることにうんざりして結婚生活は終わらせることにした。

今は私の為にプレゼントを贈ってくれる友人の為に、私も楽しくプレゼントを選んだり、親友とケーキと紅茶でささやかだけど心から楽しい日を過ごしたりして
いる。それはクリスマス当日じゃなかっとしても、当日が1人だとしても、もう前のように寂しいとか悲しいとは思わない。
お互いが大切だと思える友人達の存在は大きい。

私は改めて、特別な日を特別に過ごせない色んな事情のある人や、クリスマスに家族と過ごせない子供たちや、サンタクロースの来ない子供たちのことに想いを馳せるようになった。

大人になるというのは歳を重ねること。つまりその時間の経験を重ねることだ。
子供の頃や学生時代には考えなかったようなことに、不意に気が付くことが増えて来る。

ほんの気持ちだけでも寄付が出来て良かったとか、自分より友人の喜ぶ顔が見たくて、いっぱい考えてプレゼントを贈る。そんな1人のクリスマスが幸せに感じれたら、親になれなかった私でもやっと
大人になれたってことなのかな。

そして今、私は私の家族である猫たちのサンタクロースにもなれたのだ。

今、私はお隣りに住む若い奥さんが
ほとんどワンオペ育児でてんてこ舞いな日々に私に助けを求めて声をかけて来た日から、たまに奥さんが家事をしている間に赤ちゃんと遊ぶ役目を引き受けている。

今年はお隣りの赤ちゃんに贈るクリスマスプレゼントをわくわく探している、そんな幸せなサンタクロースになれたクリスマスだ。

 
 #クリスマスの過ごし方  #幸せなクリスマス  #サンタクロース





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