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想う事

1st album「Poppy insanity」の楽曲紹介として、反省会もしくは、思い出話しに花を咲かせてきたANMYの二人は、残り2曲の記憶の回廊をたどるのでした。

南:はい、今日は「想い」について話して行こうかと。




佐々木:はい、今日も思い出しましょうw
この曲は作曲では最後に作った曲でしたよね。

南:そうでしたね〜だいぶ作曲にも慣れて来て、佐々木さんが止めてくれないと永遠に作り続けそうな勢いでしたけどね。

佐々木:素晴らしい創作意欲、、、!

南:いや、もういつ枯れるだろうかとヒヤヒヤしていたんですけど、なんか作り続けていましたね。

佐々木:客観的に見ててもだんだんストッパーみたいなものがなくなってきて、変に力まない曲も作れるようになっていましたね。

南:それに、佐々木さんに聴かせたものが全部採用されてしまって、本当に大丈夫なのか、、、?と心配にもなっていましたけど。

佐々木:いやいや全然どれも良い曲だし、変にブレないからなんか本当はずっと昔からの作曲していたんじゃないか、、、?と疑い始めてましたけどね。

南:いやいや、本当つい最近なんですよ、作曲始めたのって、、、

佐々木:本当はもうかなりベテランなのずっと隠しているんでしょ?
僕の教えた事なんて前から知ってましたけどね〜くらいな感じだったんでしょ?

南:いや、そんな事ないですって!本当に何もわからず作っています!

佐々木:ん〜本当に不思議。
この曲も何事もないかと思いきや、結構とんでもないこと起きてますよね。

南:え、なんですか?

佐々木:いや、、とんでもない、というか、、、
1番と2番で全音転調して、戻らないで終わるよね、、、

南:はい、そうですが、、、何か、、、?

佐々木:いや、いいんだよ、全然ありだと思うし、悪いわけでもないけど、
かなり大胆な犯行だなぁと思って。
普通転調って、サビとか盛り上げたいとかでテンションを上げる為に転調したり、転調しました!っていう効果のために転調するんだけど、
この曲は、はい普通に転調しますよー、はい、しました。で、、しましたけど何か?
みたいな感じで転調するから、、、

南:え、ダメなんですか、、、?

佐々木:いや、いいんです!大丈夫です!笑

南:なんか転調したくなっちゃったから、、、

佐々木:そういうことかもしれない、、、

南:え、何がですか?

佐々木:あ、いやいいんですよw
でもこの辺りからアレンジ的な部分と作曲的な部分が全く切り離せない形で作ることが多くなってきたよね。

南:そうなんですねぇ、、イマイチ何が違うのかわからない、、、

佐々木:わからないから切り離せない形になって来ているのかもしれない。
ちなみにこの曲はどういうきっかけで作ったんですか?

南:そうですね〜他の曲は、次はどういう作り方してみようかな?とか、この音使って作ってみようかな、とか思って作ったんですが、この曲はある出来事がきっかけでしたね。

佐々木:出来事ですか?

南:はい、この曲は、、
このアルバムの制作期間中、友人が癌になってしまって、看病のお手伝いをしていたんですよね。
それで、、ある日夜中に目が覚めてしまって、外でこおろぎが鳴いていたんですよ。それをなんだか急に録音したくなって、録っておいたんですよね。
それでその日の朝方、メールが届いていて、彼女が亡くなったという連絡が入っていて、、、それで急いで彼女の家に向かったんです。

そしてなんだかんだしているうちに夕方になっていて、その帰り道の夕焼けがとても綺麗で、、、、その時、あー彼女向こうに行ったんだなぁって改めて思ったんですよ。

激痛に耐える彼女をずっと側で看ていたので、私的にもなんというか戦争のような慌ただしさだったのが、急に静かになって、そしたら今度はなんだか落ち着かなくて、、
それで彼女が亡くなった日の事を残しておかなければと思い、というきっかけでした。言ってしまえば自分が落ち着く為に作ったのかもしれないです。

佐々木:なるほど、、、そういう曲だったんですね。
結構明確に意図がある曲ってアルバムの中でも珍しいと思ったんですよね。

南:そうですね。
彼女はまるで鳥みたいに世界中を飛びまわるようなとても自由な人で、そして周りの人に対してとても愛情深く優しかった。癌になってからも家族のことをすごく気にして、自分のことは後回しだったりしてました。

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それとすごくしっかりした人だった。最後の方もある意味落ち着きをはらっているような、、、本当に尊敬できる人だった。
だからそんな彼女をリスペクトしたいという気持ちで作りましたね。

佐々木:そういう事だったんだね。
僕もこの曲が来た時、鳥肌が立ったんだけど、それくらいインパクトのある、強い曲だなと感じたんだよね。シンプルな分だけすごく強い。
それとすごく映像的なイメージが強かったのもそういう事だったのか。


南:そうですね。彼女が強い人だったからそういう感じになっていったのかもしれない。
でもこれは私の想像かもしれないけど、
そんな強い彼女でもやっぱり触れていたい、思い残すことはないと思ってもやっぱり別れたくない、と思ったんじゃないかなと思うですよ。もっと愛する人達に触れていたい、という想いがあったんじゃないかなと。

佐々木:そうだよね。人に対する愛情が強ければ強いほど、別れは辛いだろうな、、

南:そうですね。
そういう私の中に残された彼女の記憶も形にしておかないといけない、という想いがありました。彼女はいなくなってしまったけど、彼女の生き様や言葉は私の中に残っている、それは多分彼女の魂のようなもので、彼女の家族、彼女と関わった全ての人たちに残っているんだと思うんですよね。だからこの曲も彼女の魂が入っていると言える。そして私達もいつかはいなくなってしまうけど、この音楽は私がいなくなっても、彼女が残したようにずっと残り続けるんだと思うんですよね。

佐々木:確かに音楽って、何かの想いをどんな形であれ消えずに残すことができるものかもしれないよね。昔の音楽も、作曲した人がどんな人だったかわからなくても、ちゃんと想いは残っている。人はいつか消えてしまうけど、音楽は何かの想いを残すことができる。

南:そう、そういう意味で、音楽を作ることって生きて何かを残すってことなんだろうな、と。彼女がこの世に残して行ったものと同じように。
だからすごく大事に作りました。

佐々木:なるほどな〜すごい大切なものが込められている。
僕も頑張って作ってよかった!笑

南:佐々木さんも頑張りました!笑

佐々木:僕自身音楽を作り続けていると、時々なんのために作っているんだろう?と思ってしまう事があるんですよね。

南:そうですよね、こんなに毎日引き篭もって作っているとw

佐々木:そうなんですよ笑
だからもう毎日のことなんで、何かを残そうという気持ちがだんだんと弱くなっている事に気付いてしまったり、もう何のために音楽を作っていたのか忘れてしまいそうになっていたかもしれないな、と今の話を聞いて改めて反省しました、、、。

南:いや、でも音楽は楽しむものだし、作ることが楽しい、という動機だけでもいいのかもしれないですよね。

佐々木:確かにそう言う気持ちでやって来たかのかもしれない。
けれど音楽の能力というか才能として、誰かの想いを残すというのは、音楽の本当に大切な部分だよなと改めて思いました。。。

南:そうですね!私も作曲をし始めて、何かを残して行くという事を本当に直接感じるんですよ。こんな機会に恵まれて私はなんて幸運なんだ!とw

佐々木:うむうむ!その才能生かしてさらに邁進していかれよ!

南:了解致しました!今後ともよろしくお願い致します!

佐々木:こちらこそよろしくお願い致します!


という事で、ANMY結成以来初めて真面目に語り合った二人は、この雰囲気に戸惑いはしたものの、前回生じた不和をうまく乗り越える事ができそうだ!と感じていました。
そして残り一曲だ!と思ったその瞬間、あ、そういえばなんか謎がどうとか言って始めたんだった、、、、ということを今さら思い出し焦り始めたのでした。



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