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或る 虚構と現実の狭間にて

1st album「Poppy insanity」の楽曲紹介も後半戦に突入し、アルバムの核心に迫ろうとする二人でしたが、どうやってオチをつけるのかを考えないで始めた事が、今になって二人を苦しめ始めるのでした。


南:はい、今日もどんどん紹介していきますよ〜

佐々木:はい〜どんどんいきましょう!

南:では、今回は「或る」という曲です。


佐々木:でましたね。問題の「或る」。

南:え、なにが問題なのですか?

佐々木:この曲は、今のこの瞬間までどんな曲なのかの話をしていないですよね。
むしろ敢えて話題にあげるのを避けていたのではないか、、、というくらい。

南:ん〜?そうでしたかぁ?

佐々木:まだしらを切るつもりなんですね。

南:いや、そんなつもりは。。。

佐々木:この曲のアレンジをはじめてからずっと、この議論について考えてしまっているのです。不明確な実在について、何を理解しなくてはならないのではないか、いや、理解ではなく、実感として、、、

南:え、、、どうしましたか佐々木さんw

佐々木:なので今日こそ、この曲について説明をしていただきたく!

南:そうですか、、、わかりました。
え、、、とですね、、、、。

佐々木:はい、、、どきどき。

南:じゃー、はい、ここにあるのはなんですか?

佐々木:、、、今日のおやつですね!

南:はい、、、じゃーこれはなんですか?

佐々木:ん?、、、、、

南:りんごです。

佐々木:み、見えませんが、、、。

南:見えませんか。じゃー次は、これは?

佐々木:コーヒー、、、カップです!

南:はい、、じゃーこれは?

佐々木:み、見えません!

南:マヨネーズです。

佐々木:え!?

南:はい、じゃーこれは?

佐々木:下です。

南:はい、じゃーこれは、

佐々木:右です。

南:はい、じゃーこれは、、、

佐々木:み、見えません!

南:サツマイモです。

佐々木:え!?

南:、、、0.3ですねぇ、、、。

佐々木:視力検査!!!

南:、、、、という事なんですよ〜。

佐々木:だめだ、、、、何もわからない!!!

南:、、、、という事でこの曲の歌詞は分からないもの、、見えないものを見てみよう!という内容なのです。

佐々木:な、、、、なるほど、、、(わかるような、わからないような)

南:なので私も説明はできませんよね。そもそもわからない事を説明する事自体に矛盾が生まれてしまう訳で。でもそのわからないもの、見えないもの、、は「ない」わけではなくて、むしろ「ある」という事になりますよね。

佐々木:あーそうか、「ない」という事実自体が存在するわけだから、むしろ「ない」という事を表現するほうが難しいのかもしれない。数字の0みたいな話だね。

南:そういう事です。

佐々木:音楽でも同じ事が言えるよね。休符を書くみたいな。

南:休符を書く?

佐々木:音楽作る時って、出す音は考えるけど、出さない音って考えないじゃない。

南:言ってる意味が、、、w

佐々木:出す音だけ考えちゃうと、そこには休符がなくなっちゃって、リズムとか節とかがなくっちゃうと。そうなると音楽の大事な要素が失われてしまう。
例えば、ずっと永遠に続く音が鳴り続けているだけでは音楽とは呼びにくいよね。

南:確かに。

佐々木:それが時々休む、無音の時間が生まれると、そこに節のような、段落のような時間が生まれる。それを繰り返すとリズムになる。

南:音を出すだけでは音楽にならない。

佐々木:そういう事です。だから音楽っていうのは休符を書かなくちゃいけない。という話。

南:なるほど〜無があるから有があるという事ですな。

佐々木:そうそう〜!ちなみにこの曲の作曲も完全な無の時間があるよね。

南:はい、大胆に休符を入れてみた。

佐々木:曲のテーマとぴったりの作曲になっている。この無の時間がこの曲の一番の特徴なんだな〜と思ってアレンジしていました。

南:あ、、、はい、、、、そういう事です!(気づいてなかったけど)

佐々木:ANMYの曲って、結構音楽的なテーマに基づいて作曲している感じがあるよね。音楽について歌っているような感覚。

南:そうですね〜やっぱり身近な出来事というか、現象のようなものに触れて音楽を作る事がやっぱり自然ですよね。歌詞を書く時も背景に音楽があります。
それをどこまでそのまま歌詞にできるかな?というような気持ちが結構いつもあります。
ちなみこの曲のアレンジも結構カオスちっくな事になってますよね笑

佐々木:そうですね〜でも作曲された状態でかなりおかしな事になってるなぁと思っていたので、あまりなにもしなくてもいいかと思ってはいたんですけど、自然とおかしな方向に向かって行きました。普通にやったつもりだったんだけど、曲がやっぱりおかしいから。すごいメロディだしね。このメロディ全然歌向きじゃないですよねw

南:はい、もう全然歌えないw

佐々木:いつもそうなっているw

南:はい、歌えるものなら歌ってみろ的な(私自身に対して)

佐々木:エレクトロニックな音楽って普通作曲というよりか、音響的な部分だったり、リズム的な要素だったりが重視されて、作曲的な部分って意外と普通だったりするんだけど、ANMYの曲はかなり作曲的な要素が強いなって思ったりしています。コード進行で書くと、全然簡単に書けないし。

南:私はむしろ音響とかエレクトロニカとかがわからないから、普通な気持ちなんですけどね。

佐々木:それが面白いなと思います。正直エレクトロニカなんて言っても何十年も前からある音楽の楽器をただシンセに置き換えただけだよな、と思う部分もあったりして、全部じゃないけど。だから音楽的に新しい、というか意味がある、と感じる曲作りってすごい大事だと思うんですよ。そういう意味でもこの「或る」はとても音楽的な音楽だなと思います。

南:今日は褒めますね〜今日もか。

佐々木:今日は自画自賛モードでw

南:佐々木さんのアレンジもすごい!

佐々木:いや、南さんの作曲が天才的!

南:いや、佐々木さんのセンスが素晴らしい!

佐々木:いや、南さんの歌唱力が!

南:いやいや!

佐々木:いやいや!

南:、、、、、誰にも褒めてもらえないからこれからも褒め合いましょうね、、、。

佐々木:、、、、そうですね、、、。褒めて、ほしいですよね、、、。

南:、、、どうしたら褒めてもらえるんでしょうね。。。

佐々木:やっぱり努力とか、、、じゃないですか、、、。

南:じゃ天才じゃだめじゃないですか、、、。

佐々木:いや、僕は天才じゃないんで大丈夫です。

南:私も天才じゃないですよ!佐々木さんが天才なんですって。

佐々木:いや、残念ながら天才は南さんですよ!

南:いや、天才は佐々木さんですって!

佐々木:南さんですって!

南:佐々木さんですよ!


、、、「天才のなすりつけ合い」という新しいゲームを思いついた二人は、
「それでもやっぱり誰かに褒めて欲しい」という現代的な想いをお互い満たそうとするのですが、やはり二人ではどうにもならない、、、という事に気がついてしまい、冷静にならなくてはと、とりあえず毛繕いを始めたのでした。


◆各種ストリーミング↓
https://lit.link/anmy




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