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麻雀ファンのためのゲーム理論入門(7):昨日の黒沢咲プロみたいなダントツトップって

麻雀ファンのためのゲーム理論入門(7):昨日の黒沢咲プロのダントツトップみたいなことって


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(出典)キンマweb


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昨日(1月15日)のMリーグ第1戦は、実に見ごたえがありました。
雷電の黒沢が東3局7100点ラス目という点棒状況から上の七対子をリーチして、石橋から裏ドラ2枚を乗せて跳ね満は和了。

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その後も、怒涛の和了を見せて、終わってみれば70600点のデカトップ。5回の和了はすべて12000点。つまり平均打点が12000というセレブ打法を炸裂させました。筆者はこれでも雷電をファンなので、リアルタイムで見ていて、本当に興奮しました(雷電ファンというと、noteに書いている合理的な麻雀という方向と矛盾するだろうとつっこまれそうですが、なぜ私が雷電ファンなのかという話は、まあまた今度)。

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インタビューでも満面の笑みで、「雷電がMリーグの上位にいることにファンの方が慣れていないのでこれからも頑張っていかなければ」というようなことを答えてましたw (なんじゃそりゃ!?)

さて、今日の目的は、個別の打牌内容についてどういう論じるのではなくて、黒沢のダントツトップにかこつけて、前回のケーキ分割ゲームの話のつけたしを語ってみようということです。

前回のミニマックス戦略では、ケーキを分けるゲームを考えました。
兄と弟が母親からホールケーキが1つ与えられて、兄の方の戦略はケーキを「5:5に切る」と「9:1に切る」の2つ、弟の方の戦略は切られたケーキのうち「大きい方をとる」と「小さい方をとる」の2つでした。

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https://note.com/anmo_suzuki/n/n60a31a93d114

ミニマックス戦略に従って、ゲームの結果は5:5に切られたケーキを兄と弟が1つずつ取るということになります。

プレイヤーが合理的ならば、100回やって、100回とも5:5という結果になるはずです。


9:1に切られたケーキの9の方を取れることはあり得るの?

それでは、このゲームで、弟が9:1に切られたケーキの9の方を取る結果というのはありえないのでしょうか?
2人のプレイヤーである兄と弟が合理的ならば、そのような結果は生じえません。けれども、もしどちらかが合理的でなかったとしたら。。。


合理的でないプレイヤー

もし、ケーキ分割ゲームで兄がケーキを「9:1で切る」という戦略を選んだとしましょう。弟が何らかの理由で1の方を取って、自分は9を食べられると予想したとかで。まったく合理的でありませんが。つまり、兄が合理的でないプレイヤーだったということです。このとき、弟は9の方を食べることができるという「あり得ない結果」の下での果実を手にすることができます。


ここで、具体的に15日のMリーグ第1戦の黒沢以外の他家3人の打牌選択の可否について詳細に検討することはしません(これは、時間的にも能力的にも筆者の手に余ります)。
そういうのは打牌の検討については麻雀プロパーの方にお任せしたいと思います。Zeroさんの観戦記がくわしいです。他力本願ですがw
https://kinmaweb.jp/archives/97178

ケーキを切る話だと、5:5で切られたか9:1で切られたかは、見れば一目瞭然です。けれども、麻雀の一打一打では何が合理的なのかはケーキの切り方ほどには、ぱっと見にはわからないかもしれません。ただ、この対局で、岡田と丸山の打牌には合理的でない選択が含まれていた蓋然性が高いと思われます。


まとめ

合理的なプレイヤーを前提に考えることがゲーム理論の基本ですが、人間は完全に合理的とは言えませんから、プレイヤーが合理的でない場合にはどのような結果が生じるかは、ゲーム理論の中でも、当然いろいろな角度から考察が行われてきました。合理的ではないゲームについては、近い将来しか予測できないとか、自分の利得だけではなくて相手の利得も考えるとか、ゲームのルールを完全に把握していないとか、さまざまなバリエーションがあり、一概にどうこうは言えません。

今日の記事で言いたいことは、合理的でないプレイヤーがいるとき、ふつうならばありえないような結果がゲームの中で生じ得るといえるということです。もしもドリブンズから丸山ではなく園田が出ていたら、沢崎が出ていたら……これだけのダントツトップを許したでしょうか……

最後に、昨日の黒沢ダントツトップは雷電ファンとしては嬉しい限りですが、1つ残念なのは・・・・・・・・・・・・・


残念なのは・・・・・・・・・・・・・


思い切っていってしまうと・・・・・・・・・・


解説が・・・・・・


解説が・・・・・・・

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多井さんだったということ(あーあ、言っちゃった)。多井さんて、麻雀プレイヤーとしては超一流ですが、トークの方はう~ん、ちょっと???なんだか解説を聞いていると、外国産の妙に甘ったるいお菓子を食べているような気分になります。

昨日のMリーグの解説が勝又さんか小林さんくらいだったらよかったのに(多井さん、ごめんなさい。打ち手としては好きです)。

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