生きやすくなった話
コロナ禍で外に出るのを禁じられて
「助かった」と思ってしまった。
色々とあったと思うけど。
私には、とても快適な時間だった。
そんなことを言ってはいけないことが、世界中で起こっていたことは、もちろん知っている。
亡くなられた方やその周りの人たち、後遺症に苦しむ人には、そんなことをお伝えすべきではない。
コロナ禍においては、このような考え方を誰かに伝えることは諦めていた。
出掛けなくて良い、人と会わなくて良い、予定を立てなくても、充実していると思わせなくても良い生活は、わたしにとってとても有意義な時間だった。
その頃のわたしは、コロナ破局の末、1人暮らしの独身で、彼氏なし。
在宅ワークのほかは、散歩をしたり、料理を作ったり。特に予定もなく、誰と会えるわけでもない生活。
今振り返って、言葉だけ並べると絶望をしてしまいそう。
しかし、暇であることを誰にも咎められない。
誰かと会わなくてもいい生活。
わたしは心はとても安定した。
スケジュールを埋める必要のない生活は、なんで気楽でなんて自由なんだろうと、本気で思った。
それだけ、普段歪んだ価値観で過ごしていたということなのかもしれない。
そんな気持ちで毎日を過ごしていたから。
同じ人いないかなぁ?
孤独でいたかったわけでもなかったので、婚活もしてみた。
時間があるので、婚活は捗った。
いっぺんに10人以上の方とメッセージを送り合い、落ち着いた時期に会ってみたり。
そこで何人かとお付き合いしては、1ヶ月で破局も2度ほど経験。
両方とも自然消滅。
自然消滅ってなんなんだろうね。
とにかく突然連絡が途絶えてしまった。
そこで、出会ったのが今の旦那さん。
とにかく優しく穏やかな人で、気分の浮き沈みが殆ど見られない。
友達には植物だと比喩される存在。
彼と会ったことで、わたしの人生は大きく救われた。
会いたい時にだけ人と会うことを許された生活。
普段は寂しさも感じない。
しみじみ、思う。
30歳くらいまでの恋愛は、
追いかけて追いかけて。
振られて、音信不通になって。
でもまた恋をして。
友達とは予定を空けないように会って。
誰かより人気者になりたくて。
カッコつけていたくて、
いつも負けたくなかった。
それが、コロナ禍で180度変わった。
予定を埋めなきゃ、可哀想だと思われないようにしなきゃ、という思いから解放された自由な時間。
ありがたい、とまでは言えないけれど。
自分が変わるきっかけくらいにはなった経験。
まだまだ比較癖は抜けないけれど、何かが変わった時間。
誰にも共感はされないかもしれないけど、
思ったこと、残しておこうと思った。