一日の始まり

間も無く大寒だと言うのに、例年に無い暖かさが続いている。今朝も寒いのは寒いが、日が出てるからそれほどでも無い。日中は気温が上がってくる予報だ。雪も積もっていない。いわゆる一つの異常気象だ。

そんなテレビニュースを小耳に挟みながら、コーヒー豆を挽く。

コーヒー豆は中煎り。少し酸味が強めのブレンド豆。コーヒーミルの下に何も敷かないで挽くと音が響いて煩いので、ミルの下に手作りの鍋つかみを敷く。そうすると、心地よい豆の挽かれる音と、コーヒーの香りが少しずつ漂ってくる。

　明日と明後日はセンター試験。関東地方では、朝方に雪が降るかもしれない予報が出ていて、交通に支障が出るかもしれない。とニュースキャスターが話している。

大学に行っていない自分には、センター試験の大切さや大変さ、難しさなどが全く分からずピンと来ないが、ニュースで騒がれるんだから大事な事なのは分かる。若人よがんばりたまえ、とオッサンは心で祈る。

豆が挽けた。

コーヒーを淹れる器具は、色々あるが、一番手軽なペーパードリップを愛用している。ドリッパーは『コーノ』。コレを使う理由はただ一つ。

デザインが好き。それだけ。

たぶん、ペーパードリップよりも美味しく淹れる事が出来るドリップ方法は有る。そして、コーノのドリッパーより美味しく淹れる事ができるドリッパーも有る。でも、今のこの淹れ方をチョイスした理由は

簡単だし、好きだから。

だ。

コーヒーを淹れる、という行動をする時、面倒だと毎日やるのは嫌になる。

毎日使う道具が、あんまり好きじゃない物だったら、気分が乗らないから、使い続けようと思わない。

自分の気持ちにシンプルに答える。それだけだ。

さぁ、コーヒーを淹れたよ。今はコンビニでもそれなりに美味しいコーヒーを安く飲めるが、ハンドドリップで新鮮なコーヒー豆を淹れた時の、香りと味わいには勝てないな。

甘さのあるコーヒーの香りが部屋を漂う。

白黒だと、なんの飲み物だかわかんねぇな…

これならどうかな？

結局、黒い…

　世界の気候が変わってしまっている。明日で人生が変わる人がいる。

　変わらない美味しさの、このコーヒーを飲み続けられるのは、いつまでだろう。

あんまり世界の気候が変わったら、コーヒー豆が取れなくなるかもしれない。自分の体調が崩れてしまい、カフェインの入った飲み物はドクターストップがかかるかもしれない。

分からない事をなんだかんだ考えつつ、今は美味しいコーヒーを飲めてるからまあいいかな。分からない事を考えると疲れるからやめよう。

　そして一日が始まる。昨日が終わって今日が始まる。一杯のコーヒーと共に始まる。