これからも一緒にいたいだけだよ。

よくない道に進みそうになったとき、
止めてあげられるのが親友ですか？
認めることと諦めること、
何が違いますか？

高校で初めてできた友達。わたしの人生で一番仲が良かった友達と一悶着あった。これだけ一緒にいたのだから、今更驚くことも、裏切られることもないと思っていた。

今は気持ちがひと段落して、自分の状況を客観的に見れるようになったし、今まで通り仲良くやっている。だけど、それまでとはなんとなく違う関係になった気がしないでもない。お互いそのことについては触れてはいけない、本音を話してはいけないような空気を感じてしまう。

04/10の日記。

本当に本当に本当に心から思ってることが
いいことじゃなかったら、
絶対に本人には言えなくないですか？
どんなに仲良しで一緒にいても
そこに"男"という存在が関わった瞬間、
関係に亀裂が入りそうになるのはなぜですか？
その縁は絶対に切らないから、
今更何があったって絶対に許すから、
人と倫理観がズレてるのも知ってるから、
最初から全て分かってたよって
本当の気持ちを言わないことも愛でしょ？
いくら一緒にいたって誰よりも知ってたって、
今更何を言っても嫌われないって、
もしかしたら万が一そうなってしまったら、
一緒にいた時間が長すぎるから、
失うのが死ぬほど怖いから。
それなのに、どれだけ大切に思って
くれているかも知っているのに、
わたしにはあなた一人だけじゃないから
どうせ友達のひとりだから、
あなたのことを誰かと共通の敵にして
わたしが言えることは言ったつもりなの、
だけどそれが届かないなら、
見捨てるしかないでしょ？
取り繕って一緒にいたいわけじゃないの、
だけどこれ以上言わないことも愛だから。
だからごめんなさい、これからも一緒にいたい
だけなんだよってアンチテーゼ。

友達が間違った道に進みそうだった。
〇〇しない方がいいよ！って軽く言ってはみたものの、受け入れてもらえなかった。これ以上、相手に意見する勇気はなかった。その行動の背景にある考えや価値観を、一般論や他人の考えを立てて聞くことにした。

相手の行動は理解できた。
性格だって変わっていなかった。

だけど相手の価値観が受け入れられないことは事実だった。失望した。裏切られた。他の友人にも相談した。わたしは間違っていない。泣くしかなかった。止めたことは止めたけど、ちゃんと言えなかった。勝手に傷ついて、最終的には相手に合わせるしかなかった。

04/11の日記。

思ってること、全部じゃないけど、
ちゃんと本人に言えたから成長したよ。
大切な人を失いたくなくて、
勝手に裏切られたってずっと泣いてたけど、
嫌われるのが死ぬほど怖かったけれど、
本当に思ってることは
本人に直接言わなきゃいけないって、
教えてくれたのは高校の友達だったね。
これからもずっと友達でいたいから、
言わないことも愛だと思ったけど、
そんなの偽りの愛だったのかな。
相手に合わせることだけが愛じゃない。
こんなにいうのはあなたのこと
1番に大切に思ってるからだって
言わなくてもわかるでしょ？
私しか言えないってわかってたから
これからもずっと大切な人だから、
取り繕って一緒にいたくなかったの。
見捨てられなかったの。
昨日アンチテーゼって書いたけれど、
テーゼは最初からわかってたよ。
春休み、最後の最後にこうなるはずじゃ
なかったけれど今は自分を褒めたい。
言えないのは弱いからって、
痛いほどわかってる。
だけど、弱いって認められることが
私の強さだから。

昨日ちゃんと言えなかったことにモヤモヤして、やっぱり諦められず、もう一度正直に思ってることを長文LINEで伝えた。こんなこと人生で初めてやった。

高校の時、部活内のいざこざでこのようなことが2.３回あった。でもわたしから長文ラインを送ったことは一度もない。

わたしは、他人から自分を否定するようなことを言われるのがものすごく嫌だ。だって、あなたはわたしの何も知らない。わたしがなぜそんな行動をとったのかも、本当の気持ちも。あなたが見てる私はわたしじゃない。あなたが何か言ったところで、受け入れるわけがない。自己愛が強すぎるのも、実際わたしの行動とわたし自体は別だということもわかってる。だけど、とてつもなく傷つく。だから、何か一度でも言われた相手とは距離をとって付き合うようになっていた。だって、わたしのことを理解してくれないんだから。そんな人わたしの人生に必要ない。

そしてわたしは普段、仲良い友達には本音でしか話さない。だけど、本音がよくないことだった時、相手の行動を変えて欲しいという旨だった時、どんなに本人にそれを言うのがすごく、すごく、すごく怖い。伝える勇気がない、そんなに強くない。でもそれは、わたしがそうされることで死ぬほど傷つくからなのだと思う。傷つけたくないから、と無意識に思っているのかもしれない。だから、自分が妥協してでも相手の好きにして欲しいと思う。どうしても納得いかないなら、適当に相手に合わせ、その人からは距離をとって表面上の関係を続けていた。

だからわたしから長文ラインを送れたこと、思ってることを言えたことは、大成長だった。簡単にこれから距離をとって、表面上の関係でいてもいいと思える相手じゃなかった。

04/12の日記。

一度離れた心の距離は戻らない。
だけどもういいやって気持ちになってる。
必要な時に必要だったのがあなたで、
どうせわたしの友達の1人でしょ？
あなたがわたしの全てじゃない。
自分から巻き物LINEしたのは
あなたが初めてだったし、
そうしなきゃいけないって勇気を出したのは
あなたが大切だからだよ。
今はもう何も言わないけれど、
また当たり障りのないこと言ってしまうけど、
別に見捨てたわけじゃないから。
ただあなたのこと考えれば考えるほど
私ばっかり心を削ってる気がして、
馬鹿馬鹿しくなってしまったの。
価値観が合わない、もうそれでいいよ。
これだけ一緒にいたんだから、
価値観が同じだって勝手に
思い込んでただけなんだ。
これだけ長くいたんだから、
あなたもわたしも変わるのは当たり前なの。
いや変わったわけじゃない、
最初から本当は少しだけ知ってたよ。
きっと私以外誰も知らないと思うけれど、
知ってたよって言えるぐらい
私はあなたのこと知ってるんだよ。
全部嘘じゃないよ。

長文ラインを送ったもののあまり納得できない相手の回答を見て、失望した。疲れてしまった。諦めるしかないのだろうか。これまでお世話になったことは本当だったけど、裏切られたのは勝手に期待していたから。勝手に期待して絶望して傷ついた自分にも嫌気がさした。そしてそんなあなたの価値観も、実は最初から知っていたような気がして、もう考えるのが面倒になってしまった。

04/14の日記。

諦めることと、認めること、何が違う？
わたしは諦めたのかな、それとも認めたのかな。
認めるってなんだろうね。
相手の価値観を理解する、
そして味方でいること？
だけど相手の価値観が倫理に反していたら
わたしは味方でいるの？
味方でいられなくなったらそれは諦め？
あなた、最後には少しだけ
考えを変えてくれたね。
でもそれ、私のおかげかな。
知ったかぶりするの知ってるから、
本当は本人しか分からない。
だけど、あなたまだ信じているみたい。
知らないってことあったのかな。
本当は何を考えてるのかな。
これからも味方でいられるか正直分からない。
だけどもう、好きにしていいよ。
わたしができることはしたからね。
見捨てられなかったよ。
これは、諦めなのだろうか。
優しさってなんだろうね。

ここでわたしの日記は終わっている。
結局、認めたのか諦めたのか分からない。
考えるのに飽きた。

恋人はいつか別れてしまうけど、友達ならずっと一緒にいられる。だけどそれは違った。大切な友達を突然失うという経験をしたことがなかっただけだった。

よくインスタとかTwitterで、"ステキな友達と出会えてよかった"とか、"〇〇ちゃんは人生に不可欠な存在"とか、"〜も〜も〜も似ててー"とか書いてる人を見る。そんな投稿を見るたび、よくそんな薄っぺらなこと言えるなと思う。
きっと何も考えてないんだろう。だって、その人と出会ったのも、その人がステキだと思うのも、その人が自分にとって必要なのも、その人と自分が似てると思うものも、"今の自分"だけでしょう？
そういうこと言う人ほど、急接近しては一瞬で離れていく。発言の責任を負わない。きっと別れだってそんなに悲しくない、相手のことを平気で悪くいえちゃうんだ。
今いっしょにいれて幸せ、だけどこれからは分からないって言える方がよっぽど責任感あるでしょ？

今回の件、他の友達にたくさん相談して、助けてもらった。毎日のようにいろんな人に電話しLINEでも話を聞いてもらった。

わたしを傷つけたのは、一番大好きな友達だった。

だけど、わたしの傷を癒したのも一番大好きな友達だった。

一番が何人いたっていいじゃない。全員同じぐらいわたしの大切な存在で、差があるのは付き合ってきた年数の長さだけだ。

改めて自分の書いた文章を読んでいて、彼氏と別れたのか？と思ってしまった。失恋した時の悲しさ、食事が喉を通らないほどの絶望感に比べたらショックは小さいものだけど、誰かと話していないと不安で、今までの思い出が輝かしくて、1週間弱は毎日泣いていたことは変わらなかった。そして、友達を失うことですらこんなに辛いのに、付き合うこと恋人と別れることが怖くなった。

わたしは今まで誰とも付き合ったことはないけど、恋人関係になりそうだった人とは、全員わたしが気づいたら冷めていて自然消滅した。だけど予期せず大好きを突然終わらせなければいけなくなったとき、わたしはどうなるのだろう。

もう他人に期待する人生なんてやめたい。

永遠を信じたものはすべて、儚く消えてしまうから。

2021.4.24

追記
今日誕生日プレゼントを渡すために、ふたりで遊んだ。ずっと前から約束していたから。でも、わたしたちの間に流れていた空気は今までと特に変わらなかった。だいすきだった。これは諦めたんじゃない、認めたのかもしれない。そして、文字でのコミュニケーションってとても危険なのかもしれない…と思った。