見出し画像

恋愛は一人芝居じゃない。

付き合う理由なんて

好き

一緒にいて楽しい

それだけでいいと思ってる。

まっすぐで素直な気持ち以外に、一緒にいて付き合う理由なんて必要あるのか。


でも、

どんな自分でも認めてほしい。


付き合う人に求めていたのは、本当はこれなのかもしれない。

自分より他人を受け入れられる人なんて、どうせどこにもいないと諦めているから。自分を一番認められるのは自分以外にいない気がするから。いない、そんなのわかってる、だから。

わたしはどんなに近しくても遠くても、相手のどんな面を見ても受け止められる。これは、好きな人を見ていて気づいた自分の価値観の一つだった。同じそれを持っているような気がした。それがいいことかはわからない。利用されることもあるし、嫌いになれないから引きずる。悪口とかの類に興味がない。時には単純に疲れて自分の殻から出てこれなくなる。


付き合い初めはなんだって許せる、だって好きが大きすぎて相手のことがちゃんと見えてない。だけど、付き合いが長くなるにつれて、お互いの嫌な面が見えてきて…なんてよくある話だ。冷静すぎるのか客観的すぎるのかわたしにはあまり理解できない。それほど"恋人"という偶像に期待してない。相手のよくない面まで知った上じゃないと、アプローチすらできない。人を嫌いになることもないけど、好きに責任を負いすぎているのかもしれない。

好きじゃなくても、好きという"魔法"がなくたって、
わたしのこと受け入れてくれるかもしれない、
わたしみたいに。

そう期待してしまったから、きっと好きになったのだと思う。高校の時みたいに、受け入れてくれるのは、好きだからなんでしょ?好きじゃなかったら…って何も言えない人になりたくない。過去の一つや二つの恋愛は、良くも悪くも後の恋愛に影響しすぎる。だけど基本的に人に期待してないから、受け入れてくれなかったらからといって何も起こらない、そりゃそうだと思う。初恋が終わった瞬間から、冷めてると言えば冷めてる。





私のこと全然見てないじゃんって、
お互いの何を見てたのだろう。


電話してもいい?

相手から電話に誘われたのは初めてだった。
何を言われるかは、わかっていた。


好意を寄せられた仲良い女友達を振った、また、円満に仲良い女友達に戻った。何かあったかと言えばあったけどなかったと言えばなかった、彼にとっては大して問題にならない小さな出来事なのかもしれない。彼の本当の気持ちなんて、わたしは何も知らない。

何度も好きになれた感謝の気持ちを伝えて、何事もなかったかのように、いつもみたいに2時間も電話して、いつもみたいにたくさん彼のこと持ち上げて褒めちぎって、楽しかった!ってお互い言い合った。わたしの本当の気持ちなんて、彼は何も知らない。


最初からわかってた。
私のこと好きじゃない。私と付き合う気ないよな。
私のこと全然見てないじゃん。

勝手に決めつけられた私の価値観に"そんなこと思ってないよ"って反論できなかった。機嫌を取るように相手の期待した答えを用意して、プライドを傷つけないように最大限自分を下げて気を遣って相手をたてていた。彼は、きっと、なにも知らない。

プライドの高いあなたは言ったところでどうせ認めない、わかってる。自分勝手はいつものこと。言い返す気も起こらなかった。


求めなきゃ手に入らないけど、
求めるだけじゃ手に入らない。


気遣いができる人と付き合いたい、そのようなことを言われた。

自分がそういう人である自信がないなら、相手に要求できないよな。自分が変わらない限り、相手は絶対に変わらない。気遣いしているようで自分のことしか考えられないあなたに、それを言う資格なんてない。


なんでも許せるらしい彼は、なんでも認めてくれる人を求めているのだと思った。

人は、無意識に自分が選んだ立ち位置の苦しみをわかって欲しいのか。自分が周りの人にやっていることを、少しだけ誰かにされてみたいと夢見てる、私含めて。彼は、亭主関白か、もしくは部活のマネージャーのような存在を求めているのか。わたしが、好きな人のためなら、そのような存在になってしまうことを彼は気づいてない。(これは気づかなくて振って、正解なのだと思う。付き合っても今後辛いのはわたし。)

わたし以外、誰も知らないし、本人は絶対に知らなくていい。本人の前で呑み込んだたくさんの言葉と、本人のいないところで泣いた夜のことなんて。

でも、何気ない言動にひとり黙々と本を読み漁り、文章を書き連ねて、いつでも相手と向き合っているわたしの努力を、そうやって今の相手を受け入れているわたしの気持ちを、その痛みを、大好きな人だけは分かってほしいと願っていたのだろう。どうしてそこまでの期待ができたのか、今となってはわからない。

わたしはあなたとずっと向き合っていた。なにも見ようとしないあなたに、それを求める資格なんてない。


動機はさておき、相手と向き合うことは自分を守るためだけじゃない、相手を傷つけないための予防線で、お互いに一番ちょうどいい距離でいるための方法だと思う。相手のことを少しでも分かった気にさせてほしい、相手の価値観を自分の思い込みだけで絶対に評価しないという意志で、相手の味方でいたいと思うわたしの愛であり覚悟だ。


好き 

一緒にいて楽しい

付き合う理由なんて、それだけがいい。

あとは自分でどうにかするから。

相手にも、自分でどうにかして欲しいから。


"これからも、今まで通り仲良くしよう!"

本気か分からないけど、流石に都合が良すぎる。電話の後、翌日からLINEもDMも来たし、遊びにも誘われた。全部断ったし、連絡も切った。

自分のことを大切にしてくれない相手なんか、仲良くする価値なんてない。そう思えるまで3週間はかかった。

2021.10.16

(2021.9.25)

好きな人との関係が終わったので久々に書いた文章。
振られてから書き始めて、推敲してるうちに気持ちが変わったり、1ヶ月ほど経ってしまった。彼との出来事はこれだけじゃない、電話の詳細なんてまだまだ書ける。

これを見てくださった方は彼にどんな印象を抱くのだろう。本文には書いていないけど、彼はとても波長が合うし気が合う、一緒にいて楽しい人だった、それはお互いに話していた。だから、どうしてこうなるのか、付き合うことは友達の延長じゃないのかと意味が分からなかった。恋愛になると彼はおかしかった。理屈っぽくなって自分を守ることに必死になっていた。人と深く向き合うことで傷つくことから逃げてるのか、過去になにかトラウマでもあるのかと思った。わたしは元カノじゃない。そのトラウマさえ消してあげたいと思ったわたしが間違いだった。



続き↓

この記事が参加している募集

#スキしてみて

529,975件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?