デネブと水草
遥か遠くの星から自身を眺めてみる。
『どうせ死ぬ訳でもなかろうに』
なぜ不安や怒りなどという感情に支配されているのか。
全く理解に苦しむ。
いや、そんなことを理解する必要などないのかもしれない。
そもそも、偶々よく融通が利くこの体と脳は何のために存在しているのか。
いや、そんなことすら考えなくとも良い。
万物が鮮やかに、瑞々しく、互いの個々の縁起のもとに移ろいゆく姿を、
静かな心で、あるがまま眺めていられればそれでよい。
森羅万象それぞれは意味や目的など持っていない。
そこにあるだけ。あるいはそこに観測されているだけ。
なのであれば、どこまでもあるがままに、
世界を美しく眺め続けてさえいれば、
美しく、世界として生きていけるだろう。
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