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夢中毒
「休みの日はなにしてるの?」って訊かれると困るのは、私が予定がなさすぎる独身だからだろうか。
強がりも入ってるけど、旅行とか大きな予定以外はできれば土日に入れたくない。(注:恋愛してるときは別。)
それは平日にためにためた家事があり、平日の無精を王子(ねこ)に詫びて尽くすためでもあるが、一番の理由はずばり「寝たいから」だ。
平日も化粧する時間を削ってしまうくらいギリギリまで寝てしまうが、そんな中途半端な眠り方じゃ大した夢は見れない。
休日は眠りに没入し、夢の世界を冒険し漂っていたい。
それ以上に楽しい話や飲み会、興奮できるイベントなんてないって思えるくらいに、夢は楽しい。(注:恋愛してるときは別。)
だからついつい優先させてしまうんだけど、こんなこと面と向かって言ったら、病んでるか、非リア充で可哀想な人だと思われ困った愛想笑いを浮かべられるのが目に見えるから適当にごまかすようにしてる。「寝たいから」なんてサラリと言ってみたいけどそんな勇気も度胸もない。
でも、夢ほど素晴らしいものなんてないんだ!ということは胸を張っていいたい。
重力も感じないから疲れもしない。
大好きだった死んだおじいちゃんにも会える。
そこで起きることや会った人は、私の魂に直接語りかけてくれる。
カラフルで、まるで初めて聞いた曲が自分だけのためにつくられたんじゃないかと思うような感動を1000倍にしたくらいの波が押し寄せる。
しかし実際観てる夢は超ハッピー!みたいなことはたまにしかなく、人を殺したり追い詰められたり、目覚めたあと1日を過ごすのが憂鬱になるような苦しいものも多い。
そんな悪夢でも観たあとは自分の分身の悪魔とでも一緒にいたかのような、なんだか不思議な親密感はあるんだけど、やっぱり苦しい。
バイリンガルニュースで最近のトピックにあがった『ネガティブ夢』というテーマで「不安感が強い人は負の感情を引き起こす内容の夢を見る傾向にある」という研究結果が発表されてたけど、実際一理あるんだろうな〜。でも夢占いだとあながち「悪い夢=悪い暗示」というわけではないからそのへんはどうなんだろう。
現実が幸せって思えてるような状態だと夢を観る回数が減ったり、あるいは観なかったりするんだとしたら、今自分にある不安が強い状態から脱したとき夢の世界からは遠ざかるんだろうか。幸せにはなりたいけど、それはけっこうさみしいな。
何度夢の中で殺されても、多くの時間を夢に引きずられて苦しんでも、私は夢を観たい。
たぶん陰鬱な映画が好きなのと同じ理由で、単純に「おもしろいから」だ。
私は酒を求めるように、バイオレンスゲームから抜け出せなくなるようにただ夢に中毒になっていてそれはしばらくやめられそうにない。
(後記、これを書いた直後いきなり高熱を出して一週間弱まさに夢に毒されることになった。寝るのにもほとほと疲れ果てたのでしばらく夢中毒からは離れられそうだ。)
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