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京都府・長岡京市【街の中の私、私の中の街】

JRの駅の近くに小さな花壇があって、小さな前方後円墳がある。かつてあった古墳のモニュメントなんだろうけど、かつての権力者の墓がこんな小さなものになってしまったと思うと何とも言えない気持ちになる。
この街には古墳が多く、いろいろなところで古墳が残っていたり残っていなかったりしている。その中でも最大の恵解山古墳は近年公園になって埴輪などが丁寧に並べられて、前方後円墳の形があらわになった。昔行ったときはただの藪というか、小さな丘で何かよくわからなかったものだけど、きれいに整備され、整形されたその公園は教科書で見たような古墳の形をしていた。公園ができた当時は「恵解山古墳完成」という文字が掲げられていて、完成はもう既にしているだろうになんて思ってた。

長岡天満宮は何度も行ってるはずなのに、ちゃんと思い出せない。天満宮の横にある八条が池は真緑色でカメやコイが暢気に泳いでる。春はツツジが満開になって、その季節だけ池のまわりの色と匂いが違うようになった。道を進んでいくと広い空き地のような公園があって、そこを抜けると新興住宅地があったはず、天満宮自体は石階段を上っていけばいいはずだが、それがその道中のどこにあったかあまり思い出せない。それぞれの場所の風景の記憶はあるんだけど、それらが連続的につながっていない。
そういうことが結構あって、最近になって西友とかリバティとかイズミヤが長岡天神駅からこんなに近いものだったのかと知った。親の運転する車にのって、外の風景も見ずにDSばかりやっていたからかもしれない。

長岡天神の近くの通りは名前が特殊で、アゼリア通りだとかセブン通りとか不思議な名前をしている。アゼリア通りにはアゼリアピエロ(アゼピー)というキャラがいてモザイク調のデザインだったから、幼いころは何が描かれているかすらわかっていなかった。
それでいうと、長岡京にはお玉ちゃんというマスコットキャラがいて、調べてみてもらうとわかると思うけど、着物の表現のために身体がある意味抽象的な形をしていて、お玉ちゃんにもなんだこの身体なんて思っていた。
タケノコのキャラも最近ときどき見かけるが、何者かはわかっていない。

ずっと工事していた市役所が最近完成した。もう私は長岡京市に住んでいないから、この街に相応しくないほどおしゃれにデザインされた新しい市役所に行く用事も予定もないのだけれど、ちょっと嬉しくなった。
小学生時代から京都市内の小学校に通っていて、長岡京市の中でいろいろと暮らしていたのは小学生になるまでだったと思う。(中高がたまたま長岡京にできたからまた長岡京だけで生活することにはなるのだけれど。)だけど、長岡京市の文字を見たり、タケノコ、小倉山荘とかを見かけると地元のことを思い出してしまって、意外と愛着あるもんだなあと思った。

ただ、「かしこ暮らしっく」っていう標語はやめたほうがいいと思う。


新開地ニューあそび場の創造
安住の地「ライトシティ」

日時:2024年2月9日(金) ~ 25日(日)
場所:新開地アートひろば

あたらしい街にやってきて思うこと。
見慣れない街灯、住宅の明かり。
どれもまだ自分の街じゃない。
いつしか私は住人を名乗り、自分が「街」の一部に変わる。
気が付けばその街が「自分自身」を作っている。

本企画のテーマは「街に馴染む」
安住の地劇団員が考えた関連企画や、訪れた人の手で変わっていく展示空間、そして新作の演劇作品を発表します。
リニューアルした新開地アートひろばで、
安住の地と一緒に、新しい街「ライトシティー」を考えてみませんか?

演劇公演『あかり。』

脚本:武田暢輝
演出:森脇康貴、武田暢輝
〈あらすじ〉
そこに街があった。私たちは街の中で、街の一部として生きていた。
その街に生まれた新生児・灯(あかり)の身体は光をまとっていた。
灯は身体が発光する以外は、どこにも異常はなかった。ただ、光り続けていた。
いつしか街のシンボルになった灯は、この街の一市民になることを夢見る。

詳細はこちら▶ ライトシティー特設ページ


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