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京都府・京都市【街の中の私、私の中の街】

これはほんの少しだけ昔の話。

家の前に大きな空き地がある。
大きな大きな空き地がある。
修学旅行生がよく泊まっていた大きめのホテルが取り壊され、周辺の家屋も取り壊され、それによってできた大きな空き地がある。
私は家族と共に住むマンションから大きな空き地を見下ろしている。

ホテルはコロナ禍になくなった。
ここに住むずっと昔からそこにあったので、急な取り壊しに家族は騒然としたものだ。
周辺の家屋と書いたが何があったかは正直ほとんど覚えていない。

さてこの空き地、問題は「次に何が建つか」だ。
そう、何かが建ちそうな予感がするのだ。この大きな空き地に。ここに一体何ができるのか。

①ショッピングモール
が建つには少し狭い気がするが、同じく京都にある新風館のようなオシャレ商業施設ならあり得る。楽しみ。

②コンビニ
家の前にできたらとても便利だが、にしては広すぎる。おそらく7軒は入る。セブンイレブンにファミリーマートにローソンに、、、足りない。各社2軒ずつ入る。大手以外のコンビニも入る。ただ田舎のコンビニみたいに広大な駐車場がある可能性は捨てきれない。

③一軒家
さぞかし大豪邸だろう。こちらとしては何の得もないが大きすぎてそれはそれでテンションが上がる。ぜひお邪魔したい。

④ホテルorマンション
大いにあり得る。今の京都は「え!?駐車場になると思ってた!」というくらいの小さなスペースにもホテルが建つ。ホテルの繁殖力恐るべし。

⑤本屋
これは私の願望。この広さの本屋。いいじゃん。毎日通って1日過ごしちゃうだろうな。ただそうなると丸善京都本店に行かなくなっちゃうのかな、寂しいな。

⑥劇場
今の京都にできるはずがない。

加えて何より深刻な問題は「高さ」である。
これは本当に問題になりかねない。
マンション住まいの私のことは一旦棚に上げる。
今、家の前はとても見晴らしがよく、空に浮かぶ雲を眺めては沈む夕陽に思いを馳せ、星と星とを線で繋いで星座をつくる生活を送っている。
ではここに高いビルが建ったらどうだろう。
景色が何も見えなくなるうえに、こちらの部屋の様子まで覗かれる恐れがある。迂闊にカーテンも開けられない。実際昔はそうだった。
なるべく低い建物であって欲しい。

そういえばその空き地の隣にビルが建っているがコロナ禍に建設途中のまま撤退してしまったのかそのままになっている。外見はビルとして完成しているが正直耐震とか大丈夫なのか不安で仕方ない。悪の組織のアジトになっていないかも気になるところ。
これも一緒に壊してより広い商業施設になったらいいのに。

空き地にはこんなにも可能性とワクワクが秘められているのだと実感しながら私はこの街の新たな1ページを見つめている。

さてここからは今の話。
家の前の大きな空き地にはマンションが建つらしい。
「まぁそうだよね…」というのが正直な気持ち。
もうこの街にはホテルかマンションしか建たないのだろうか。
空き地を見下ろしていると割と変な形をしているのでどんなマンションになるのかは気になるが。
一階になにかお店入ってくれないかな。
今はそれにすこしのワクワクを感じている。


新開地ニューあそび場の創造
安住の地「ライトシティ」


日時:2024年2月9日(金) ~ 25日(日)
場所:新開地アートひろば

あたらしい街にやってきて思うこと。
見慣れない街灯、住宅の明かり。
どれもまだ自分の街じゃない。
いつしか私は住人を名乗り、自分が「街」の一部に変わる。
気が付けばその街が「自分自身」を作っている。

本企画のテーマは「街に馴染む」
安住の地劇団員が考えた関連企画や、訪れた人の手で変わっていく展示空間、そして新作の演劇作品を発表します。
リニューアルした新開地アートひろばで、
安住の地と一緒に、新しい街「ライトシティー」を考えてみませんか?

演劇公演『あかり。』

脚本:武田暢輝
演出:森脇康貴、武田暢輝
〈あらすじ〉
そこに街があった。私たちは街の中で、街の一部として生きていた。
その街に生まれた新生児・灯(あかり)の身体は光をまとっていた。
灯は身体が発光する以外は、どこにも異常はなかった。ただ、光り続けていた。
いつしか街のシンボルになった灯は、この街の一市民になることを夢見る。

詳細はこちら▶ ライトシティー特設ページ

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