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SNSのNG集:Anizine(無料記事)

Facebookでは「友達」でない人がコメントを書けないように設定している。Twitterのように友人との話に突然知らない人が割り込んでおかしなことにならないようにするため。俺のところは友達を増やしすぎないようにしているからいいんだけど、毎回他の人のところで気づくのは皆あまり「コメントの物語進行を気にしていないんだな」ということ。

たとえば、誰かがロンドンに行っている投稿があったとする。位置表示はLondonになっていて「久しぶりに来たら街が変わったな」などと書かれている。さてそこにどんなコメントが寄せられるだろうか。

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「ユミちゃ〜ん」「お仕事ですか」「行ったことないけどロンドンはメシがマズいんでしょ」「え、どこにいるんですか」「私も30年前にロンドンに行ったことあります。懐かしいなあ」「アバディーンに友達の妹の旦那さんの同級生が働いているオルゴール屋さんがあるので寄ってみて」「クルマの修理の件、ゲンちゃんに伝えておいたよ」「おしゃれ〜」「セレブ!」「モノトーンの町並みに静謐な空気が漂っていますね」

これくらいでだいたいのサンプルは網羅できたかな。カフェで目の前に人がいる時の会話というのはこれくらい飛んでいても大丈夫なんだけど、テキストになった場合のサイバースペースの異様さはスゴい。順番に行くよ。

名前だけ呼ぶ新国劇スタイルの観客。仕事か遊びかを(あえて)本人が書いていないのにムヤミに聞く。知らないのにロンドンはメシがマズイとザックリしたこと言う。位置情報や他の人のコメントにも書いてあるのに、どこにいるのかまだわかってない人。自分もパソコンが普及していないくらいの昔にそこに行ったことがあるということをアピール。果てしなく遠い関係の知人を持ち出してアドバイス。距離的に言ってもロンドンからアバディーンは徒歩じゃ無理。あと、ほとんどの人は「オルゴール屋」さんに興味ない。流れに関係なく突然自分が伝えたい話をぶっ込んでくる人。外国に行く人にひたすら「セレブ!」と短めなかけ声を掛ける歌舞伎スタイル。自分のポエムを書く場所だと思っている。

さて。あなたはどのタイプかな。

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。