見出し画像

苦悶式の人生:Anizine

勉強には質と量があって、公文式を見ればわかるように圧倒的な量をこなさないと質は生まれてこない。

それが暗記型の勉強では無意味なんだけど、少ない量で質を生むのは不可能だ。ある尊敬している人が「受け取る情報の量はみな同じ。必要な時にどれだけ記憶していて引き出せるかが大事」と言った。

情報だけで言えば、ネットなどで膨大に増え続けている。ただそこに投げ出された情報をいかに組み合わせて再構築するかには優秀なDJのような能力が求められる。情報は単体では役に立たない。この曲の後にこれを流すから泣ける、というような「物語」が必要なのだ。

提供された情報を享受することに慣れていると、それが生み出せない。

画像1

人生で直面する問題はクイズのように1ページずつ答えが過保護に書かれているわけではないから、どこに問題が隠れていてどこに答えがあるかすら、注意して探して考えないとわからないのだ。「そんなのは不親切である」と不平を言うヤフーコメントのようなスタイルが今の社会には蔓延していて、だから『五分でわかる複雑系』みたいな本が売れる。複雑系が五分でわかってたまるか。単純なことを言うな。

ここから先は

361字

Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。