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人が撮れない人へ:写真の部屋

レンズは撮影者の側を向いている、と言われることがあります。

誰かを撮っているつもりでも、そこには撮影者が「そうあって欲しいもの」として写るという意味です。若い女性モデルを撮れば、自分の恋人がしてくれたらうれしいような表情やポーズを要求しがちです。写真を見ればその人の「期待する女性像」が写ってしまいますから、ある意味でとても恥ずかしいことかもしれません。

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写真を撮り始めてからずっと、気になった人にはどんな場所でも声をかけて撮影させてもらっています。誰かと会った記念の写真が残ると楽しいからですが、あらゆる種類の人を撮るのは単純に勉強になります。

よく風景や花などを撮っている人から、「怖くて人物が撮れないんです」と聞くことがあります。当然です。花や風景は撮られていることに気づいていないですし、何時間粘ってアングルを決めようが文句を言いません。しかし人を呼び止めてカメラの前に立ってもらうときは一瞬しか撮れませんから、慣れておくしかないのです。それはカメラのセッティングもそうですが、気持ちの持ち方の問題でもあります。

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いくつか必要な訓練について書いておきます。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。