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極悪でもない女王:Anizine

『極悪女王』を観てからずっと感じていることについて、女性に意見を聞いてみました。考えを抽象化して遡っていくと、「女性が男性っぽさの強いスポーツをすること」へと行き着きました。プロレスのような格闘技を例にとると、私が男性なのは前提ですが、女性が肉体を直接傷つけ合うのを正視できない、という感覚があります。男性が殴っても殴られても『競技者としての優劣』に感じられるのですが、女性だとまったく同じ視点で受け取れないのはなぜか、と。

もちろん「女の子がボクシングなんかやってどうなるのかね」とテレビで話した老人のようには思っていませんし、やりたい人はやればいいと思うのですが、なぜそこに受け取り方の違いが出てくるのかを知りたかったのです。

格闘技に限らず、歌舞伎と宝塚の違いにも繋がるような気がしました。男性が女性を演じることと、その反対。玉三郎が演じる女性を観るときと、明日海りおさんがオスカルを演じるときには意識の違いがあるように思えるのです。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。