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昨日、「ヨーロッパのハイブランドの服を着て行く場所があるのか」という話をしていました。

日本の景気がよかった頃、ミラノのあるブランドの店員が混雑した店の中で言いました。「アジア人はこういう服を着て、行く場所があるのかね」彼らは優れたヨーロッパ・ブランドとしての誇りがあるからそう思うのでしょうが、聞いていて、いい気持ちはしませんでした。彼らは階級社会に暮らしていますから間違っても庶民の20代女性がルイ・ヴィトンやエルメスのバッグを持って街を歩いていることはありません。それがどんな意味を持っているか知っているからです。

お金を払ってレジを通り過ぎてくれれば彼らのビジネスは満足なので売ることは売るのですが、客として敬意を払われることはありませんから「どこに着ていくんだろう」という発言に繋がります。以前、テレビに出る人に対して「大きくロゴが入った服を着ないで欲しい、ブランドのイメージが損なわれる」という話が出たことがあります。ギャングスタ・ラッパーのMVではブランドロゴにモザイクがかかることもありました。売る側にそれを言う権利があるかどうかはさておき、ブランドの名前や大きなロゴが好きなのはアジア人消費者の特徴です。自分は高価なものを着ているという主張だけで、いいものかどうかはわかっていない、それがとてもアジアっぽいと言うのです。

彼らが「アジア向け商品」だと言っているのはそのブランドだとわかるロゴが入った商品です。数年前に、私がParisで買ったのと同じものを知人にプレゼントしようと銀座の支店に行ったとき、ロゴが入っているものしかありませんでした。「向こうで買ったときはロゴなしがあったはずですが」と店員に聞くと、「日本ではロゴがないものが売れないので置いていません」とはっきり言われました。いいものかどうかではなく、ブランドの名前を言いたいだけで買っているのです。

ということは、

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。