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コミュニケーション:Anizine

たった10日ほどの滞在だったが、それでもParisのムードに馴染む。さっき渋谷を歩いていたときはクルマがどちらの方向から来るのか一瞬だけ迷ったし。人間の反射はその程度の日数でも順応してしまうから恐ろしく、無意識でしていることの不思議さや怖さを感じる。ホテルに泊まるとき、エレベーターで自分の仕事場の階数ボタンを押してしまったりする。あの箱の中に乗り込んだら無意識で指がそれを押す行為をするだけで、そこでは何も脳のリソースを使っていないとわかる。

気のいいお兄ちゃん

パリで信号待ちをしていたら目が合ったトラックドライバーが何か言っているのが見えた。遠くてよくわからなかったが悪意を感じなかったので写真を撮った。それがこの一枚。

欧米では、ということもなく、逆に言うとほぼ「日本人だけ」が他人と目が合ったときに平然と無視する。他人と接点を持たないようにする宗派なのだろうか。そしてついさっき、エレベーターの中でそれを象徴するようなことが起きた。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。