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意見を言わない癖:Anizine

最近起きたいくつかのことには共通点があった。

簡単に結論を言うと、「自分の意見を言わない癖」がついていること。仕事でも遊びでも、コミュニケーションのズレというのはどこにでも発生する。自分と寸分違わず同じことを考えている人なんて存在しないんだから、ズレはゼロにはならない。

ロバート・ツルッパゲとの対話』を書いたとき、自分が言いたいことが、自分の周囲の友人たちだけではなく、本を入手できるあらゆる無関係な人に対して伝わることを想像し感謝した。俺は仲間内の価値観だけで盛り上がる話というのが一番苦手だ。周囲に壁を作って自分たちのコミュニティの話ばかりしているのを見ると、「ああ、あそこには入れない」と思う。

より開かれた、自分の武器が役に立たないくらいの場所で、自分の何十倍の知識や体験を持つ人がいるところへ自分の考えを届けたい。そのためには批判されることが大前提だから、覚悟している。でも、出版直後に届いたレビューにはこんなのがあった。

「これって、哲学でも何でもなくて、ただ著者が思ったことですよね」

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。