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中年のクライシス:PDLB

生まれたばかりの赤ちゃんが10年経てば10歳になる。その急成長ぶりは凄まじいものです。無意識におむつの中にウンコを垂れ流していた子が、いっぱしの社会性のあることを言うようになる10年間の成長と比べると、30歳が40歳に、40歳が50歳になっても何も変わりません。この進歩のなさには、無力感を超えて苛立ちすら感じます。

私は男ですが、男性の精神的な進歩は中二病などという言葉があることからもわかるとおり、14歳くらいで止まると考えています。今、こういう場所に書いているのと同じことは、おそらく14歳の自分でも書けたでしょう。もちろん社会を経験したり、蓄積した体験の総量は増えているのですが「自分という建築物」の構造はまったく変わっていません。部屋に置いてある家具がニトリからカッシーナに変わったくらいの変化です。

そうなると、14歳くらいまでに築いた建築構造はもう進化しようがない、という残酷な事実に気づくのです。もう建ぺい率ギリギリに建っちゃってますから。古い温泉旅館のように無神経な建て増しをして新館だの別館だのと複雑な構造を取り入れようとしても無駄です。建築物としても商業施設としても美しくないのです。

結論を早めに提示するのがジェントルな態度であるとするなら、「14歳までに描いた未来予想図は自分のサイズを限定する」という残酷な事実を書いておきましょう。中年のクライシスは鉄板コンテンツですが、痛みに耐えられる人だけがこの先を読んでください。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。