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演劇のポスター:写真の部屋

広告写真はパッケージだから、中に入っている商品がいかにいいモノかを想像させ、期待させる役割がある。美しい風景写真で観光地に人を呼び、綺麗な女性の写真で化粧品を買ってもらう。中身の質はもちろん大事なんだけど、買う人々は箱を空けるまでわからないので第一段階として「箱の美しさ」で興味を持ってもらうことは大切なのだ。

先日、知人の劇団主宰者から連絡をもらった。新作のビジュアルを撮って欲しいという依頼だ。彼とは一度も仕事をしたことがないんだけど、人として信頼できるというか、単純にチャーミングで好きな人だから引き受けることにした。こういう状況で舞台関係者は大きな打撃を受けていることもわかるから、自分が微力ながら役に立つことがあればやりたいと思っていた。

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まず、zoomで打ち合わせをして脚本の内容を教えてもらう。かなり複雑なシチュエーションだ。何かハッキリした出来事が起きるというより、おそらく緻密なシーンの積み重ねで彼の描きたい世界のグルーヴが伝わるような芝居なんじゃなかいかと思う。キャストには以前撮影したことがある乃木坂46にいた井上小百合さんの顔があった。久しぶりなので楽しみ。

「商品はパッケージが大事なのに、映画の宣伝ポスターなどを見るとまったく逆効果とも言えるものが多い」といつも話しているから、自分が作るときに同じことになったらカッコ悪い。これには技術的に回避できることがいくつもあるのでそれを紹介しておきたい。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。