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最初の仕事の矛盾:写真の部屋

1年にひとつ、納得がいく仕事ができたとしても10年で10個。20代から60代まで仕事をしても40個ってことだ。計算あってるよね。数字に弱いんで。

仕事を始めてから数年なんて何もできないはずだからもっと少ないかもしれない。そもそも年にひとつでも「自分が納得のいく仕事」なんていうものがあったら幸運だ。仕事は多くのファクターに左右されるから、全部の歯車が奇跡的に噛み合って成功することなんてザラにはない。H&Mにもない。

それを年間に数十個も平然とこなしている人だけが超一流だ。もちろん一流になれば、あらかじめ高性能な歯車が準備されたいい仕事が来るから成功の確率は上がる。それが一流になったという証拠であり、権利でもある。そこで問題なのは「どうしたら若いうちに成功の確率が高い仕事ができるか」ということだ。

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デザインや写真の業界でよく聞く言葉だけど、たとえばCDのジャケットの仕事があるとする。そこでまず聞かれるのは「今までにどんなジャケットをやったか」である。「一度もやったことがありません」と言うとそれっきり連絡が途絶えたりする。発注側は多くのCDジャケットを作ったことがある経験と実績を持った人に頼んだ方が話が早いからだ。でもよく考えて欲しい。百戦錬磨の実績を持つ人々は「最初の一枚」をどうやって作ったのか。矛盾がないだろうか。

つまり、最初の仕事を得ることが難しいのだ。

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写真の部屋

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人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。