見出し画像

黒バック:写真の部屋(無料記事)

白は軽やかで親しみやすく、黒は重厚でゴージャス。

一般的な仕事では白バックを使うことが圧倒的に多いんですが、黒を使うこともあります。宝石・クルマなどのように商品が高価で高級なイメージを持たせたい場合です。当たり前ですけど「らくらく毛玉取り器・1980円(税込)」みたいなものにはあまり黒バックは使われません。

そのように写真を構成するビジュアル・エレメントにはすべて潜在的な意識に訴える意味があって、「論理的にチョイスされている」ことに気をつけて写真を見てみてください。

そこを間違えるとテーマが不明瞭になりますが、まれにウェディングドレスを着た新婦が場末の居酒屋にいるようにわざと組み合わせをおかしくする手法もあります。それはトリッキーな方法なのでここでは省きます。

画像1

俺は人物をずっと黒バックで撮り続けていますが、それは重厚感を出すためではなく、写真の中の付帯情報を全部切り捨てて人物に視線を集中させるために使っています。もちろん白でもいいんですが、白はその場の光の質や色に左右されて微妙な存在感を出すので黒にしています。それと黒バックには舞台のスポットライトの下にいるような印象があるので、より人物が主役らしく見えるという効果もあります。

皆さんも是非一度、試してみてください。黒布は光を反射しないようにベルベットの生地を使います。生地屋さんで普通に売っているモノです。それを背景に何でもいいから撮ってみてください。日常的な背景やシンプルな色バックとはまったく違うのがわかると思います。

画像2

露出はオートでは撮れません。カメラは画面全体の明るさを測定して背景の黒を感じるとそれに合わせて明るくしようとするので、グレーになってしまいます。マニュアルモードで被写体の露出に合わせてください。どうしてもほんの少しトーンが残ってしまうときは最終的なレタッチをするときに調整して完全な黒に落とします。

画像3

さあどうでしょう。今まで撮ったことがない写真が撮れましたか。黒バックに限らず、様々な方法と材料と撮り方を試してみることが大事で、その中から何を選ぶかで自分の撮りたい写真が決まってきます。それが何十年先でも。

定期購読マガジン「写真の部屋
(無料記事は、『今回は無料だけど、定期購読するとこういうことが書いてあるから、マガジンのメンバー登録よろしくね、大人ならわかるよね』という意味です。今回の記事はかなり前に書いたモノに加筆しました。)

ここから先は

0字

写真の部屋

¥500 / 月

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。