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花束みたいな恋をした:博士の普通の愛情

脚本家の好き嫌いは「台詞」にあると思っています。それほどたくさんの映画やドラマを見ていないので偉そうなことは言えませんが、自分にとって心地よく響くのは山田太一さんと坂元裕二さんです。

やっと『花束みたいな恋をした』を観ました。監督の演出がどこまで脚本を忠実に再現しているかがわからないので、前半と最後、交互に組み合わされていくふたりの台詞にはやや戸惑いました。あまり坂元裕二さんのスタイルでは見かけない気がしたからです。しかしクライマックスのファミレスのシーンではどれひとつとっても切ない台詞が続き、いつも通りにやられました。

物語はある出会いから別れまでの美しい恋愛なんですが、サブカル寄りのリアルな固有名詞がどんどん出てきて、登場人物のキャラクターを形作っていきます。最後には趣味がピッタリだと思っていたのに、彼の方が合わせていた部分もわかるという微笑ましい種明かしもありました。

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恋愛に関する、ごく普通の読み物です。

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多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。