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ちいさなナイフ:Anizine

誰からも怒られたくなかったら、何もしないことだ。

何かをすれば、それが気に食わない人が必ずいるから批判を受ける。そういう言葉は刺激的で目立つんだけど、好意的な感情はいくら多くても表に出ないものなので気にしなくていい。

俺がいつも書いているのは「何か自分が好きなことをやればいいじゃん」ということだけなんだけど、それを快く思わない人もいる。「決めつけないでください。やりたくてもできない環境の人もいるんですよ」とか言われて。

そんなことくらいわかってるよ。俺がそれを理解していないと思っていることのほうが決めつけだ。誰でも自分が手の中に持っている「限られた武器」で勝負している。理解どころか、俺が仕事をする前に手に持っていたものは本当に貧しく、よくその小さなナイフだけで今まで生きてこられたものだ、と自分でも感心する。もちろん手助けしてくれた人がたくさんいたからなんだけどね。

とても簡単に言ってしまうと、大事なのは、今自分ができていないことを誰かのせいにしないこと、その言い訳をしているうちに自分が信じ込まないこと、だと思っている。

「自分が快適だと思う方向に一歩でも足を動かしたか」という事実のみを脚下照顧する。音楽のジャンルで言えばシューゲイザーというか。これを書くときも説明だけじゃなくて「シューゲイザー」と言うワードを使ったほうがくだらなくていいな、読む人がオモシロイと思ってくれるだろうな、と考えて行動することが大事で、その積み重ねで「あいつはなんだかくだらないことを言うやつだ」という方向に一歩足を踏み出していることになる。

自分が何をしたい人で、今はどんな状況なのかと説明するときに、嘘をついたり盛ったりしても何もいいことはない。「信用のおけない嘘つき」と思われて損にもなる。恥ずかしがらずに、自分には何もないですけど、こういうことをしたいです、とはっきり言えば、必ず誰かが助けてくれる。

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成功する人は、例外なく可愛がられる人。「あんたの助言なんか聞いてたまるか」などと言う人は、一見独立心があると思われがちだけど、ロックやパンクの包装紙をまとっているだけで、実は何かを隠している。もっと楽器の演奏を練習したほうがいいよ、と助言されて真面目に練習する人と、うるせえと言う人には数年後に差が出る。

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Anizine

¥500 / 月

写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。