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コピー・ドライバー:Anizine

「毎日、知らない人と話そうと思っている」ということは以前書いた。

仕事場のあるマンションで会ったときに話すのは、NYから来たバリー・サンダースみたいな兄ちゃんと、大家さんのふたりだけだ。それ以外は一度も話したことがない。日本人はとにかく知らない人とはできるだけ話さないようにする習性がある。誘拐されそうな園児ならわかるけど、大人には話さなければ失礼に当たる状況もあるのだが、話さない。

たとえばエレベーターで誰かがドアを開けて待ってくれているのに無言で乗ってくる。マナー以前の問題だ。そういうとき若いカップルだと、割と女性の方が「ありがとうございます」などと言うんだけど、男は無言の場合が多い。若い男性の社会性のなさには目を覆いたくなる。

俺も当然のこととしてあとから来る人のためにドアを開けて待っていたりするけど、ありがとうございますという女性はともかく、そのあとに黙ってついてくる男を見ると「お前のためには開けていないよ」と感じてしまう。

そういう話をすると「欧米でのマナーは」という展開になりがちだけどそこはちょっと待った。

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Anizine

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写真家・アートディレクター、ワタナベアニのzine。

多分、俺の方がお金は持っていると思うんだけど、どうしてもと言うならありがたくいただきます。