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写真の部屋

人類全員が写真を撮るような時代。「写真を撮ること」「見ること」についての話をします。
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2021年12月の記事一覧

サポート2021ご報告:すべての定期購読マガジン

皆さんからいただいた定期購読マガジンの購読料から、2021年も各所にサポートできました。 合計金額は 163万9000円 でした。 「旅に行く資金」などがこのご時世でストップしていますが、来年は旅行に行けるようになるといいと思っています。ありがとうございます。

大晦日に:すべての定期購読マガジン

大晦日に言うようなことではないですが、負けている人は次に勝てるチャンスがあります。しかし、「負けていることを認めようとしない人」はずっと勝てませんね。勝ち負けというのは短絡的な意味の価値ではないですが、と信号待ちの老人は言った。 来年もよろしくお願いいたします。

Z9:写真の部屋

NikonのZ9を持たせてもらう。思ったより大きくて重い印象。ミラーレスのメリットはコンパクトにできることだと思うんだけど、Z9の大きさはどうなんだろうなあ。スタジオなら何の問題もないと思うけど、複数台を持ち歩くロケだとちょっと考えてしまうサイズだ。ハッセルのHからXへの変化は納得できる。 現在一番使っているのはSONY。操作系や信頼性は確実にSONYよりもNikonの方が優れているのはわかっているんだけど、数十本のレンズを始め、全システムを入れ替えるとなるとやや考えてしま

ありのままではなく:写真の部屋

ホテルの部屋から見下ろした、朝食のためのラウンジ。 順光だとまったく面白くないんだけど、逆からだとどうかなと思った。光と背景の関係は写真を違うものにするから、カタチが面白いモノを見てもカメラとの位置関係を変化させることを想像した方がいい。で、下から撮ったのがこれ。

道具:写真の部屋

写真を撮っているという人が、「こんなカメラを使っています」と自己紹介してきた。ブレッソンもドアノーも大昔の性能が悪いカメラで撮っていた。それで撮られた写真が後世の今でも見る人の胸を打つのはなぜかを考えてみれば、最新のカメラを持っているという宣言がいかに意味のないことかがわかるはず。

聖なる昆虫採集:写真の部屋

悪口として「お前が撮る人物写真は、仏像みたいだな」と言われることがあるんですけど、それは「仏像みたいに写っているポートレートが好き」だからだと自覚しているので何もダメージを受けません。 ヌードを撮り始めてから日が浅いからよくわからないなりに「裸と性」というのは近いように見えて、それほど単純ではない気がしています。保護カバーがかかっている仏像を撮るのも好きだし、カバー外しましょうか、と住職に言われて撮るのも楽しい。でもそこで「悟りとは何ぞや」なんてメンタルなものが写るまでには

下手な写真の依頼:写真の部屋

今日は「下手な写真」を撮るという新鮮な体験をした。CMの劇中で使う、夫婦の写真。写真が趣味の夫が妻を撮った設定だというので、あまりうまくなりすぎないように撮った。 「どうすれば普通の人が撮った写真のように見えるか」を分析する、というリバースエンジニアリングみたいな作業。顔に変な太陽の当たり方をする場所を選び、女優にどうでもいいデザインのベンチに座ってもらって、わかりやすい記念写真風ポーズで撮った。やり過ぎかとは思ったが一応アウトフォーカスにしたカットも撮った。写真が下手にな

気持ちを新たに:写真の部屋(無料記事)

俺は依頼された仕事のすべてをプロフェッショナルとして完璧にこなせる自信がないので、職業的なPhotographerとは名乗っていません。優秀なプロフェッショナルと仕事をしてきた経験からすると畏れ多いし、恥ずかしいからです。名前や肩書きなんてどうでもいいし、そんなものは言ったもの勝ちなどとも言われますが、自分で決めて名乗る定義には意味があると思っています。 ですから「写真家」と書くのですが、そっちの方が巨匠っぽくないかと言われます。そうではありません。愛妻家や浪費家のようなニ