『懺悔録』:博士の普通の愛情
僕がある雑誌にコラムを連載していたときのことだ。誰が読んでいるかわからないようなつまらない雑誌に、どうでもいいくだらないことを書いていた。そこまで口汚く言うのは、当時の僕はそんな仕事しかやっていなかったという今の自分からの罵倒である。
ノリカという女性がいた。スタイリストのアシスタントをしていて何かの撮影で知り合った。彼女は僕と出身地が近いということだけで騒いでいた。僕の街は人口が370万人くらいいるそうだからウルグアイの全人口より多く、東京で出会うことは奇跡でも何でもない