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博士の普通の愛情

恋愛に関する、ごく普通の読み物です。
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2022年4月の記事一覧

アダルトビデオ:博士の普通の愛情

友人が離婚した。あまり向こうから食事に誘われることがないので少し嫌な予感がしていたのだが、レストランの席に着いた瞬間そう言われた。 「何年結婚していたんだっけ」 「ちょうど10年くらいだな」 こういうときは向こうが何を話したいのか、聞いて欲しいのかを丁寧に感じ取る必要がある。僕はただ黙って聞く。 「アダルトビデオに出ていたんだよ」 「え、カオルさんが」 「すごくショックだった」 「信じられないな」 自分のパートナーがアダルトビデオに出ていた。僕だったらどう感じるだろう

三文字で恋が終わることがある:博士の普通の愛情(無料記事)

まだ10代だった頃。友人から初めて彼女ができたと聞かされました。 夜中のファミレスで彼は延々と同じ話を繰り返します。まだ情報量が少ないのにうれしいから、細かい話を繰り返すしか方法がないんでしょう。若さゆえの微笑ましさです。 初めての彼女と宣言している通り彼はチェリーボーイでしたが、今のようにインターネットなんてありませんから、雑誌の記事を読みまくって「最初の戦い」に挑むわけです。 ベタですが、母子家庭の彼女のお母さんが旅行に行く日があるらしく、彼女がその時に家に泊まりに

ルッキズム:博士の普通の愛情

「好きな子ができたんだよ」 「おお、それはよかったね。もしかして会社の女性か」 「うん」 「俺が知ってる人かな」 「知ってると思う」 彼らが勤めているのは全国に数千人の社員がいる巨大な企業なので、小さな会社のように「あの人」と簡単にわかるような規模ではなかった。 「本社の子か」 「そう」 「フロアは」 「それを言っちゃうと面白くないだろう」 「そうだよな。じゃあ当てるぞ」 「当ててみて」