見出し画像

アラサー女子の介護記録 #2 認知症ライフハック3選

最初に書いた記事ではわりと真面目に書いてしまったので今回はもうちょっと軽めなことを書いてみようかなーと思う。

認知症の家族との生活にそれなりに慣れてくると色々とライフハック的なところも思いついたり、忘れることを逆手に取ることもできたりする。

①よくある質問

祖母は大体普段から同じようなことを気にしているので、質問されることは大体同じことになってくる。普通に答えてあげればいいんだけど、いつも同じことを答えるにはこっちの気持ちに余裕がないときもある。

ある日不意に思い立ってA4サイズの紙に「よくある質問」とその答えを書いて壁に貼ってみた。遠方に暮らす兄弟の近況などが中心だったかな…

何か聞かれたら「ばーちゃん、これ読んで」と言っておけばOK。こちらも度重なる質問に消耗しなくて済むし、聞かれなくても祖母本人がその紙を自主的に読んでいることもあった。

ちなみに、その日だけ頻繁に聞かれる質問(天候や予定など)に関しては心を無にしてbotのように何度でも答えてました。それもある意味必要なスキル…

②鬼の居ぬ間にビフォーアフター

実家暮らしの辛いところは家がおしゃれじゃないところ。大体祖父母世代って物を大事にするから不必要な物でも捨てさせてもらえないし…

祖父が亡くなり、祖母の認知症が進行した頃、デイサービスに行っている日中などにいらない家具とか処分して勝手に家にお気に入りスペースを作っていた。ちょっとずつの変化なら気づかないから。(アハ体験?)昔からあったデスクを捨ててでっかい本棚を置いたときにはさすがに祖母も驚いてはいたが…

大きな模様替えは普段あまり祖母が入ってこない場所でないとさすがに難しいが、私にとってはいい気分転換だった。当時は介護生活で家で過ごす時間が長い分、インドアの趣味を楽しんでいた。

③はじめてのおつかい鬼ループ

体調不良など、とにかく一つのことを気にしはじめたら執着してしまう祖母の気を反らせることには腐心していた。図書館で借りてきた本を読ませたり、昔の話を聞いてみたり…そんな祖母の心を夢中にさせてくれる番組が「はじめてのおつかい」だった。

小さい子供が一生懸命おつかいをしている姿に庇護欲を掻き立てられるのだろう。祖母はかなり本気で子供に声援を送っているし、内容的にもほっこりするし、2時間はもつし、この番組にはかなり助けられた。

とはいえそんなに頻繁に放送があるわけではないので放送予定があればかならず録画予約、あとはネットで過去の放送を探しまくっていた。

介護施設では日中普通にテレビをつけているだけのことが多いと思うけど、はじめてのおつかいの録画を流しておけば子供好きなお年寄りはかなり食らいつくと思うのだが、やっている施設はないのだろうか。

画像1

こんな感じになる気がするんだけど。

あとは「衝撃映像100連発」的な番組もよく見ていたが、あの手の番組をたくさん見ていると同じ映像を何回も見ることになって、当時母と私は衝撃映像ソムリエみたいな感じになっていた。

とまあ、当時の我々が編み出したライフハックが色々とあったのだが、ここで書いたことが認知症介護界でメジャーな手法かもしれないし不謹慎な部分もあるかもしれないがそれはそれとしておこう。とにかく一瞬前のことは忘れてしまう家族とうまく付き合うにはちょっとした工夫やユーモアも必要だと思うのである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?