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白ワインの醸造過程//ブドウの栽培からワインの完成まで

今回は白ワインについて、ブドウの栽培から醸造を経てボトリングされるまでを解説いたします。

こちらでは一般の方向けに基本的な流れを理解していただけるようまとめてあります。
資格を目指す方向けではございません。あくまで、「ワインの知識を深めたい」方に向けて」リライトしたものです。

白ワインは、主に白ブドウを使用して作られますが、黒ブドウを使って作られることもあります。最大の特徴は、果皮と種子を取り除いた果汁だけを発酵させる点です。
白ワインが作られる醸造の流れを詳しく見ていきましょう。

ブドウの栽培については「赤ワインの醸造過程」で解説しております。この部分は大きく変わるものではありませんのでどうぞそちらを参考になさってください。このページでは収穫から始めさせていただきます。

1. 収穫(ハーベスト)
白ワイン作りの最初のステップはブドウの収穫です。白ブドウは、酸味が豊富なうちに収穫されることが多く、朝や夜の涼しい時間帯に収穫されることが理想的です。これにより、ブドウが発酵中に酸化するのを防ぎます。

2. ブドウの選別と破砕
収穫したブドウはワイナリーに運ばれ、選別されます。良質なブドウだけが選ばれた後、ブドウは破砕され、果汁を抽出します。ここで重要なのは、白ワインの場合、果皮や種が含まれない果汁のみを使用することです。これにより、赤ワイン特有のタンニンが少なく、フレッシュで軽やかな風味が保たれます。

3. プレッシング(圧搾)
ブドウが破砕された後、圧搾されます。この圧搾工程により、果汁がさらに抽出され、残った固形物(果皮や種)は取り除かれます。特に高品質な白ワインは、優しく圧搾されることで、繊細な香りとフレッシュさが保持されます。

4. 発酵
圧搾によって得られた果汁は、ステンレスタンクや木樽に移されて発酵が始まります。この工程では、天然酵母や培養酵母がブドウ果汁に含まれる糖分をアルコールと二酸化炭素に変えます。

  • ステンレスタンクでの発酵は、フレッシュでクリーンな風味を引き出します。

  • 一方、木樽での発酵は、バニラやスパイスのような複雑な風味が加わることが特徴です。

白ワインの発酵温度は、一般的に12〜18度と低めに設定されます。これにより、果実味やフレッシュな香りが引き出されます。

5. 熟成
発酵が終了した後、白ワインは熟成の段階に入ります。熟成は数か月から数年に及ぶことがあり、ステンレスタンクや木樽で行われます。熟成中、ワインは定期的に澱(おり)引きが行われ、ワインの澄んだ透明感が保たれます。また、木樽で熟成される白ワインは、樽からの風味が加わり、よりリッチで複雑な味わいになります。

6. 澱引きと清澄化
熟成が進むにつれて、ワインには**澱(おり)**と呼ばれる不純物が沈殿します。澱引きによってこれらを取り除きます。清澄化剤を使うこともあります。これにより、ワインがクリアな見た目と、すっきりした味わいになります。

7. ボトリング
清澄化が完了したワインは、最終的にボトルに詰められます。多くの白ワインは、熟成を続ける必要がなく、ボトリング後すぐに飲むことが可能です。ただし、一部の高品質な白ワインは、ボトル内でさらに熟成が進むこともあります。

8. 白ワインの特性と楽しみ方
白ワインは、軽やかでフレッシュな酸味が特徴で、柑橘類や青リンゴ、白い花などの香りが楽しめます。また、発酵や熟成に使用される容器や時間により、味わいの幅が広がります。温度が低めに設定されることで、そのフルーティーさや花のような香りが際立ち、魚料理や鶏肉、サラダとの相性が抜群です。

まとめ
白ワインの醸造過程は、収穫からボトリングまでの一連の手順が、ワインの風味や香りに大きな影響を与えます。特に、果皮や種を取り除くことで、クリアで爽やかな味わいが引き出されます。

その一方で品質のしっかりした白ワインは長期の熟成にも耐えます。深い熟成を経た白ワインは色調も濃くなり黄金色に輝き、香りは一層複雑になります。この感じは少し日本酒の古酒に通じるものがあるように思います。

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