【ペット系サービス代表の小話】#3 専門医化トレンドへの反発と総合臨床獣医師
「アニぴたる」というサービスを手掛ける隅蔵の想いや知見を毎週水曜日に発信しています! FBとnoteに同じ記事を公開しています。
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毎回1000~1500字、2~3分で読めるくらいの文量です。
獣医師からは言いずらい、獣医師は教えてくれないコトを世の中に伝えていきたいな、なんて思っています。
今週のテーマは、【専門医化トレンドへの反発と総合臨床獣医師】です。
先週は、「獣医師は特定の科目に特化していくトレンドにあるよ」っていう話を書きました。
隅蔵としてはこのトレンドが進んでいくことを確信していて、お声がけをしたりご連絡を頂いた飼い主・獣医師にもこのトレンドについてお話をするわけですが・・・・飼い主・獣医師の一部の方からはこんな反対意見を頂くことがあります。
※ 多くの方は分科トレンドに対して前向きで、反対派閥はざっくり飼い主1割・獣医師2割くらいです。
飼い主「かかりつけ以外の獣医師にセカンドオピニオンとかすると、全く違う診療方針を提示されて困惑することがあって嫌だ」
飼い主「これまで診てきてくれているかかりつけの先生が最も良い治療をしてくれる」
飼い主「他の先生に意見を仰ぐなんてかかりつけの先生に失礼でしょ」
獣医師「飼い主さんは犬の湿疹もうさぎの骨折も1箇所の病院で治るのがベストだと思っているに決まってる。それに答えるのが獣医師の責務。」
獣医師「飼い主さんに獣医師や獣医療の質なんて絶対分からない。無駄に詳しい人が来る方がこちらとしては面倒くさい。」
獣医師「得意になるっていうことは、自分より遥かに秀でている師匠がいるはずで、師匠の存在を差し置いて〇〇が得意だなんて言い出す獣医師は得てして大したことがない。」
はい・・・皆さんどう感じますか。
隅蔵的には、どの言い分も分からないこともないっていう感じ。
行き慣れた病院に強い信仰を示す飼い主、そして飼い主の期待や他の獣医師の目をとても気にする獣医師。ミクロの視点で見ると個々の事情は容易に理解できるところですが、マクロの視点でみるとこういった方々が多ければ多いほど獣医療の発展が妨げられる気がしてしまいます。
飼い主に対してお伝えしたいこと
”獣医師や動物病院に対してもっと視野を広げてください!”
獣医師に対してお伝えしたいこと
”怖がらずにもっとあなたや病院の情報を開示してください!”
これだけです。どちらかというと、最近は特に飼い主の方が獣医師の情報をもっと得たいと思っていて、そのトレンドに獣医師サイドが追いついていないという構図に見えています。
一般的には発信すればするほど信用が得られる時代ですから、「力を入れて勉強してきたことを発信する」という行為に獣医師がもう少し時間を割いても良い気がします。発信する為に色々考えるだけでも理解が深まったりするものです。
さて、隅蔵が良いと思う動物病院のあり方というのは、ほとんどの1次診療の動物病院が何かしらの得意分野・専門分野を示しつつも、1割弱の獣医師は「総合臨床獣医師」という存在でいてくれる環境です。
人間医療でも、大きな病院には総合臨床医がいますよね。一般外来の患者を診る内科医のことではありません。
総合臨床医は、一見して何科の症状か分からなかったり、基礎疾患・慢性疾患の影響などから一般的な医師では直ちに診断がつけられない症例に対して、患者さんからの情報や血液・尿・画像・その他の検査によって診断をつけ、その上で自らの専門性を生かして専門的治療も出来る存在です。
必要に応じて患者様の最寄りの町医者や2次診療施設とも連携して経過観察しやすい環境を構築したり、継続的な臨床研究によって医療の発展に寄与することが期待されている立場でもあります。
獣医師の世界でも総合臨床獣医師は同様のスキルを持っていて(期待されていて)、2018年には総合臨床獣医師の認定医資格も生まれています。
資格保持者一覧はこちら ↓↓
https://www.jaha.or.jp/training/certified/doctor-list/
結構大変な勉強をして得られる資格なので、この資格を保持している獣医師の方々がこの資格を生かして臨床に当たり、獣医療の底上げに寄与してくれるのを願うばかりです。
はい、今日はここまで♪
今回は飼い主・獣医師の方から色々な意見が出そうな記事となりましたね。
次回、【3月23日】は【獣医師選びのよくある間違い】をテーマに掲げます。
お楽しみに!
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