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『話の話』を記述する(その22~このつづきものの基礎的な立ち位置について2)

 しかしそれにしても、アニメを「ジャンルとして固有な・視覚的な表現」を判別する手段・アプローチはまだまだ貧弱である。その欠をここに補おうとしている。
 さてこうまで大上段に振りかぶりながらも、やるべきことはとても地道な作業だ。
 「てにをは1」という論文は、一種インデックス型・電話帳のような体裁だった。
 床屋について調べたいと思って、この電話帳で調べて、床屋がいくつ、どこにあるかを知る。あるいは調べたいのは歯医者かクリーング屋か。知りたい要素をインデックスから調べて、どこに・どのように・いくつあるかを知る。
 そんな電話帳として「1」が実際に収録しているインデックスとは「作用―反作用」、「斜め奥」、「手前・中間・奥」といったアニメ固有の表現の在り処だった。

 さて「1」が電話帳だとすると、この「2」は電話帳や地図を放り出して、街を散策するというコンセプトだ。
 ただ決められた道順があって、それに沿って見ていく次々に見えてくるものがある。
 八百屋があった、その先には床屋がある、それから銭湯がみつかった。
 そんな具合に「2」は、「マルチプレーン」に出会い、「複数の様式の共存」を見つけ、「アニメの嘘」に出くわすだろう。


(その23へ)

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