私には親友がいる。
出会いは、大学の鍋作りのレクレーションだった。
私が材料の白菜を鍋にいれようとすると、
「もっとちゃんと洗わないと駄目だよ。」
クスクス笑いながら言ってきた。
初めは強烈な印象だったが、関われば関わるほど、魅力的な女性だった。
話してみると同じマンションと判明し、毎日一緒に過ごすようになった。
誕生日に家に帰ると、彼女のお気に入りの小説とペンと手紙がテーブルの上に置いてあった。
私が夜勤のバイトをしている時、体が心配だとシチューを作って待っていてくれた。
一緒にお寿司を食べている時、8カンのお寿司を2時間かけてゆっくり丁寧に味わって食べていた。
北海道の冬は寒いはずなのに、暖房を付けずに服を重ね着して小さな電気ストーブのみで、過ごしていた。
そんな彼女は結婚し、東京へ遊びに来ると言い
10年ぶりに、再会することになった。
当日、彼女と会った一声
「東京は道が複雑だね〜」
変わらない温かい空気が嬉しかった。
私が東京に上京してから、10年会えずにいた。
長年、会えなくてもたった1度久しぶりに会うだけで、心が腑に落ちる。
この感覚を言葉で見つけたい。
そっか。
それが「親友」という言葉なのかもしれない。
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