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『Team Topologies』を読んだ

これを読んだので印象に残っていることを書きます。

最も印象に残っているのは 4 つの基本的なチームタイプの紹介と、全てのチームをこの 4 つから構成すべきと主張されていた点でした。

4 つのチームとは以下を指します。

  • ストリームアイランドチーム

  • イネイブリングチーム

  • コンプリケイテッド・サブシステムチーム

  • プラットフォームチーム

ストリームアイランドチームとは、価値ある単一のストリームに沿って仕事をすすめるチームです。
このチームには、価値を届けるために必要な権限が委託されていて、他のチームへの仕事の引き継ぎが不要です。
組織の根幹であり最も多くのチームがこのチームとして振る舞うべきと記載されています。

イネイブリングチームは、ストリームアイランドチームが欠いている能力の獲得を手助けする、コンサルティングのチームです。
ストリームアイランドチームの課題解決が目的のため、通常数週間から数ヶ月で不要となります。

コンプリケイテッド・サブシステムチームは、スペシャリストの知識が必要となるパーツを開発・保守するチームです。
ストリームアイランドチームが受け持つには専門性が高く認知負荷が大きい領域を受け持ち、ストリームアイランドチームの負荷を減らすことが目的です。

プラットフォームチームは内部のプラットフォームサービスを提供するチームです。ストリームアイランドチームに内部サービスを提供することで自律的に価値を届けられるようにすることが目的です。

基本的に職能ごとにチームを分割するとサイロ化して成功しないので、職能横断型のストリームアイランドチームをメインに構成することでチームとして成功できると述べられています。

個人的には直感的に腑に落ちるチーム構成と感じました。
読む前は DevOps の文脈からバリューストリームに沿ったチームが良いと認知していたのですが、それ以外のチーム構成をどうすればよいのか分かっておらず、そうは言っても開発と運用以外にも色々あるし、、と感じていました。

この課題感に対して複雑なことをやるコンプリケイテッドサブシステムチーム、サポートするイネイブリングチーム、インフラ周りから支えるプラットフォームチームが登場人物として出てきたことでチームの分け方がスッキリしたように思います。

次いで各チーム間におけるコラボレーションの方法も 3 つにすべきと述べられている点も印象的でした。

3 つのコラボレーションとは以下を指します。

  • コラボレーション

  • X-as-a-Service

  • ファシリテーション

コラボレーションは密接な連携関係、X-as-a-Service は API サービスの提供・利用関係、ファシリテーションは障害を取り除くための支援・被支援関係を指します。

4 つのチームと 3 つのコラボレーションで今の自分のチームをイメージすると、自分のチームは○○で、他のチームとは○○のコラボレーションになっているな、といったことが比較的スムーズに頭に入ってきたので大変腑に落ちました。

全体を通してチームとコラボレーションの定義そのものと、チームとコラボレーションのスタイルを継続的に見直すと良いということを知れたのが大きな価値かなと思いました。

自分はチームビルディングについて責任を持つ立場にはないので、これを読んでチーム構成を見直そう、とすぐに動くのは難しそうに感じました。

どちらかというと、メンバの一員として自分たちのチームがどういう姿であるべきなのか、他のチームとどうコラボレーションしていくべきなのかについては目線を持っておいて、ズレを感じたらマネージャーやメンバーに働きかけていけると良いのかなと思いました。


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