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TToTTのスターターセット環境考察

検索してみたところTToTT(トット)の環境についてどころかカードについての考察すら見当たらなかったので私が書くことにした。これを読めばTToTTスターター環境での強カードとデッキ構築、プレイングの指針が分かるように書き殴っていく。

はじめに、TToTTとは?

TToTT - Table Tennis on The Table - とは2020年8月に発売された卓球トレーニングカードゲームだ。コロナ禍の中でも卓球に触れられるように発売された、お茶の間で卓球の戦術について学ぶことができるゲームだ。発売時には公式サイトで1000名にスターターセット2箱を配布しており、卓球界への深い愛が見て取れる。

次にTToTTの大まかなルールを以下に示す。
以下の麹津玄老氏の動画を見れは4分で図付きで説明していただけるので、こちらを閲覧して下さっても分かります。
https://www.youtube.com/watch?v=0bB3KnCc0qc
・お互いに手札を7枚になるまで引き、サーブカードを選択しコースを指定する。
・カードに記載されたコース、回転、クオリティ(カードの強さ)を確認し、返球できるカードを出し返球可能な位置に移動、コースを指定して返球する。
・これを繰り返し、返球できるカードがなくなった時点で相手の点数を1点追加し、サーブからラリーを始める。
・先に11点に到達した側の勝利。
ここに山張りによるクオリティ上昇やイベントカード、体力の管理等を組み合わせることで戦略性の高いカードゲームとなっている。
ただし、麹津玄老氏の動画でも話されていますが、カードに書いてある記号がとても多く、プレイ中に処理しなければいけない情報が多すぎるため、懸賞で手に入れた方もタンスの肥やしにしてしまっていると思います。私もそうでした。

現在発売されているのはスターターセット4種類、
裏裏セット
裏表セット
裏粒セット
カットセット
が発売されている。それぞれのセットは現実の戦型に則ったカードが収録されており、裏裏・裏表は攻撃型、裏粒・カットは守備型のデッキとなっている。
実はこのうち裏裏セットのカードは他3箱にすべて収録されているので購入する際の優先度が低い・・・

細かいルール(読み飛ばし可)

・返球の細かい条件
返球する場合は球が飛んできた場所に移動して返球する。この際、移動したマス数に応じて体力を消費する。
相手の回転と自分のカードの返球できる回転が合わないカードで返球しようとした場合は相手の得点になる。
相手のカードのクオリティが自分のカードの返球クオリティよりも高い場合は返球失敗となる。
返球後の回転はカードによって決まっている。
返球せずに体力を温存する、返球できない不要なカードを使うといった選択肢も取れる。
・山張り
返球できるコースが1〜9番まであり、その内1点を選択して手札のカードを伏せる。
相手の打球がそのコースに来た時に伏せたカードで返球でき、その際クオリティが1段階昇格する。
左右に相手を振って体力を消耗させる動きが基本になるため、基本的には返球先のコースは右サイドと左サイドの1、3番を交互に狙うことになるため、山張りも1、3番に置く事が多い。
・体力
初期設定70(スターター対決時は50)、返球のためにマスを移動するたびに消費していく。また、コース4~9を返球する場合は移動のほかに追加で体力を1消費する。30以下になるとカードのクオリティが1段階下がり、10以下になると2段階下がる。さらに0になると移動できなくなる。

前述のとおりルールが非常に面倒くさいです。普段卓球している時よりも頭使うレベルで考える前に手が止まってしまいますね。
やりたかったことはルールから伝わってきたが詰め込みすぎて敷居がバカ高くなってしまったのはカードゲームとしては失敗だと言える。ゲームとしてかなり面白かったのは認めるが面白さを感じるまで2時間近くかかっていたので、一般的プレイヤーは15分でスプラトゥーンに移行すると考えるとどこかしらルールを簡潔にしなければいけないだろう。

カードプール

スターターセットは同種カードが複数枚封入されているうえ、ランク違いのカードやラバーの種類別の同種カード等が封入されているため実質的なカードプールは以下のように意外と狭い。
サービス:5種類
返球(レシーブ系):4種
返球(攻撃系):4種
返球(防御系):3種
イベント:3種

サービスは5種類あるが、上下回転のロングサービス、上下回転のハーフロングサービス、下回転ショートサービスがあるが、現カードプールでは下回転のハーフロングとショートに山張り避け以外に大きな違いはない。
さらにロングサービスは相手に攻撃・レシーブ両方のカードで対処されるため基本的に使用することがなく、実質的にはサービスカードも2〜3種しか使わない。せめてロングサーブはクオリティFにすれば後述のとに返ツッツキでコースを狙われないので、使い道が生まれたのに・・・

レシーブ系返球カードはとにかく返球(とに返)、ツッツキ(下・ナックル)、プッシュの4種である。
上回転ハーフロングサーブはとに返でしか返球できないため、必然的にデッキに多数投入する必要がある。
下回転系サーブはツッツキ2種とプッシュで返球できるが、プッシュはEランクの実質攻撃カードであり、現環境ではナックルと上回転に差はないため、ナックルツッツキを出すメリットはほぼ無い。

攻撃系返球カードは主に対上・対下回転ドライブ、スマッシュ、ツッツキ打ち、の4種である。
上下回転の差以外はほぼ同じなのでどれを選んでも構わない。ただし粒高デッキの場合は対下ドライブよりもプッシュの方が対応コースが広くレシーブカードと兼用できるのでプッシュを優先する。

防御系返球カードはブロック(下・上)、カットの3種である。(実質的に攻撃系といって問題ない)
また、全カードの中で唯一カットだけが手出しでクオリティDのカードを返球できる。よってブロック(下)はカットの下位互換にあたるため、基本的にカットで良い。

イベントカードはレット、エッジ、ネットインの3種である。
レットはラリーを無効にし、他2種はコイントスで表が出ると効果発動。エッジは自分の得点になり、ネットインは好きなコースにボールを落とせる。

強カード

他のカードと一線を画して強いのがカットである。以下にカットの強みを述べる。
・全カード中唯一手出しでクオリティDを返球可能
 現状のカードプールではクオリティEが最高クオリティであり、山張り昇格してもDまでしか存在しない。そのため攻撃デッキの山張りは得点に繋がりにくい。
・山張りEカットは山張りドライブ/プッシュでしか返球できない。
 体力消費させるために基本的にコース1、3を狙うため、ほとんどの場合山張りはコース1、3に張ることになるので、コース2に山張りEカットを返球するとほぼ得点になる。
・前後に振るカードがほぼなく、実質ブロックの上位互換である。
なぜか斜め移動が可能なせいで後陣に下げられるデメリットが現状ほぼ存在しない(山張りツッツキのみへのツッツキ返球時に体力を削られるだけ)ため、事実上の粒ブロックの上位互換になってしまっている。これさえなければ差別化できたはずなのだが・・・

次に強カードとして挙げられるのがプッシュである。
粒高専用カードだが、全コースの下回転を返球可能でクオリティEの上回転ボールを返球する。全コース対処できるEのため、バランス型ドライブ主戦およびカット対策とレシーブの役割を両立できデッキ枠を圧縮できる。

プレイングとデッキ構築の指針

現環境ではサーブとネットイン以外で4〜9番のコースに打たれることはないため、1〜3番を攻撃で返球できるカードをどれだけ持てるかでラリーに打ち勝てるか決まる。
ラリーの流れは基本的にサーブ→レシーブ→攻撃カードの撃ち合いの順で進み、攻撃カードの撃ち合い時は上回転vs上回転または上回転vs下回転の構図でラリーが続く。
このため、デッキ構築ではレシーブ用のとに返ツッツキプッシュをある程度投入し、残りをデッキコンセプトに合わせて攻撃カードのどれかに寄せる事になる。
TToTTは現状サイドデッキの概念がなく、メインデッキの時点で環境を読んで詰まない構築を考えなければいけない。例えばドライブデッキは対上ドライブを多く投入すると現状最も強いカットデッキと対戦した際に対上ドライブは死に札になるため、対下ドライブに寄せる方が良い。
しかし逆に言えば相手のデッキコンセプトを読み、死に札を増やさせるプレイングやデッキ構築を行うことでラリーを有利に進める事もできる。以下にその例を示す。
対下ドライブに構築を寄せ、サーブは常に下回転ショートを選択する。すると相手はツッツキ又はプッシュしか使用できず、手札のとに返が死に札になる。相手のサーブで上回転ハーフ→とに返→とに返というプレイングをしてくる場合は死に札処理のためテンポアドを失っている(実質サーブ権の譲渡)のでラリーで有利に持っていける。

予想される環境とデッキ構築

山張り攻撃を返球でき、自分の山張りは山張りでしか返球されないカット主戦が環境トップであるのは間違いないと言える。しかし意外なことにこのカードプールでもカットを中心に環境は一巡する。以下にその大まかな流れを記載する。
・カット主戦
カット主戦のデッキ構築はEカットをベースにレシーブ用のとに返・ツッツキ下、イベントカードのレット・エッジが基本構築となる。
カットミラーでは先にカットを出した方が勝つため、お互い上ハーフロングサーブを出し合い、とに返をカットする。
レシーブ時に点を取る手段として、
・エッジを多めに投入する、
・Eプッシュを数枚投入してカットの切れる終盤に連打して得点を稼ぐ、
・Eプッシュネットインのコンボを狙う、
・山張りツッツキでカットを返球する
・体力を温存し体力差で有利を取る
が挙げられるが、基本的に先行が有利になる。

・ツッツキ主戦カットタッチ(カットデッキへのメタデッキ)
カットデッキは基本的にカットを返球できないため、カットがメタカードになる。
また、後述のプッシュデッキに強く寄せる必要がありカットが多く入るため、手札事故を誘発するデッキ構築をするのも有効である。具体的なカットメタ構築がツッツキ主戦カットタッチデッキである。
ツッツキを大量投入しサーブで下ショートを出し続け相手のツッツキを枯らさせつつ、ツッツキ単デッキへのメタとして投入されるプッシュへの回答としてカットを投入したデッキである。基本構築のカットデッキはとに返とカットが腐り、ツッツキの物量に耐え切れず負けてしまう。
相手が上ハーフロングサーブを出しレシーブのとに返をカットした際には山張りツッツキでツッツキ合戦に持ち込み、とに返をとに返してくればカットすることでレシーブ時の得点源とする。

・プッシュガン積み裏粒(ツッツキ主戦カットタッチへのメタ)
ツッツキ主戦カットタッチはツッツキの投入量が多いため、高クオリティカードが少なくなる。
そのため、対下回転攻撃系の高クオリティカードを大量投入したデッキにはツッツキが死に札になり負けてしまう。具体的な構築がプッシュガン積み裏粒である。
下系ショートサーブをツッツキさせガン積みしたEプッシュをカットが切れるまで打ち続けるデッキであり、ツッツキ主戦デッキのツッツキが腐り、カット-プッシュの枚数差でラリーの有利も取れる。
構築はレシーブをとに返とプッシュに寄せ、自サーブ時は上サーブから入り相手に先にカットさせつつ、相手サーブ時は2球目プッシュでツッツキを処理させない。
この際気を付けなければいけないのは山張りカットは山張りプッシュでしか返球できない点である。点数状況によっては体力を消費して山張りを踏まないプレイングも必要になる。

このプッシュガン積みデッキは意外とカット主戦に弱く、ラリーは続くが得点にはできない。
というのも山張りDプッシュがEカットには効かないが山張りDカットが得点にされてしまうことと、下サーブから入られるだけでプッシュを消費しなければいけないため、プッシュ側のリソースが先に尽きてしまう。
この3すくみの関係があるため、意外と環境はカット単1強ではない。
その他のデッキとしてEクオリティ山張り詰ませ型、対下ドライブカット混合、ドライブメタ対上ドライブ主戦、ナックル主戦、ブルジョワエッジ、ブルジョワレット体力コントロール等の構築を考案したがこちらは後述の購入コンテンツとさせていただく。

購入の優先度

最後にスターターデッキを購入する際の優先度を記載する。
カット>>>裏粒>>>裏表≧裏裏
の順で優先度が高いと思われる。
この順位付けは
カットは現環境最強カードであること、
裏粒はプッシュが強いこと、
裏表はナックル主戦デッキの構築に必要なこと、
裏裏の収録カードが他のデッキでも全て集まること、
といった理由でつけている。

まとめ

以上がスターターセットでの環境とデッキ考察である。
カットを中心にメタが回り一巡しており、カードプールの狭さに比べかなり奥深いゲームになっている。
難点はルールが細かく難解であることだが、体で理解した後はとても面白いゲームになるのであきらめずに遊んでみて頂きたい。

ここまで読んで頂いた皆様ありがとうございます。
また、この記事を作成するにあたり麹津玄老氏にとてもお世話になりました。この場を借りて謝意を表明するとともに、少し宣伝させて頂ければと思います。
麹津玄老氏はYouTubeで、〜秒でわかる卓球用具の歴史シリーズを投稿されております。
勉強になりますし面白いので興味ある方はぜひ以下のURLからチャンネル登録よろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCJp8RftPoE2sJYa5d_FzavQ
オマケに、私は普段はスプラや桃鉄などのゆっくりゲーム実況をしていますので興味ある方はぜひチャンネル登録よろしくお願いします。
https://www.youtube.com/channel/UCplyuJqSYFJTI9uj7b_bung

有料コンテンツ

ここからは有料コンテンツです。以下の内容を記載しております。
・環境からみる構築の基礎
・確率から見る構築の基礎(レシーブ・イベント)
・詰ませるための考え方
・手札事故の処理のしかた
・各デッキの対戦相手ごとのプレイングと構築例(以下未完成)
  カット主戦
  ツッツキ主戦カットタッチ
  プッシュガン積み裏粒(現在ここまで完成しています。)
  山張り詰ませEクオリティ
  対下ドライブカットタッチ
  ドライブメタ対上ドライブ主戦
  プッシュカットバランス型
  ナックル主戦
  ブルジョワエッジ
  ブルジョワレット体力コントロール
といった他プレイヤーと差をつけるための内容になっております。
価格ですが、相場が分からないことと未完のため最初の3人は100円とさせていただきます。購入者が増えれば需要を見込んで価格を上げていく予定です。


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