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『ヴィンランド・サガ』の感想・おすすめポイント|激動の時代、本当の戦士の物語

暴虐の塊、最強戦士軍団ヴァイキング時代の”リアル”が生々しく描かれた傑作っ!目的達成のためなら慈悲・懇願すべて一掃。圧巻の戦いぶりと、壮大な物語の世界に没頭できます✨

あらすじ

千年期の終わり頃、
あらゆる地に現れ暴虐の限りを尽くした
最強の集団、ヴァイキング。
最強と謳われた戦士の息子トルフィンは、
幼くして戦場を生き場所とし、
幻の大陸“ヴィンランド"を目指すーー
激動の時代で巻き起こる、
本当の戦士の物語(サガ)。
via:Amazon

 アニマの#アニメ感想・オススメポイント

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舞台は11世紀初頭の北ヨーロッパ及び周辺地域。当時世界を圧巻していたヴァイキングたちの生き様を描いている作品。単純に豪快な戦士たちのバトルアクションを楽しむだけの作品ではなく、深い歴史考証に基づいた当時の史実を追体験できる貴重な物語です。

北の蛮族ヴァイキングはヨーロッパの海、川、野原に出没し、人々にとって恐怖の象徴。恐るべき速度で襲撃と略奪を繰り返す。一方、王政統治では奴隷制度が当たり前のように存在し、貧困、格差、弱肉強食の世界が社会化している。

生きるために人を殺し、人を使い、人を売る時代。恩恵を一番得るのは王政の頂点か力ある者。命を軽く浪費されていく時代に生まれる感情は「負」で満ちていて、人々は一瞬の気の緩みで地位も立場も入れ替わる恐怖を背負っている。そんな時代でも”力ある者”の集団ヴァイキングの蹂躙ぶりは、見ていて驚愕する。個の力だけ見ても戦闘能力が非常に高いが、統率するリーダーの力の種類によって集団の力も大きく変わる。

異常な戦闘力の副官ビョルンを部下に持ちながらも、知略と武力に長けた戦略家のアシェラッド兵団。敵対するのは圧倒的な体格と戦闘力・楽観的な性格で部下を魅了する戦闘センスの塊、トルケル。この両兵団の戦いを見るだけでも圧倒されますが、特に見どころは『戦うこと』に対して名もない1人の戦士から、キーキャラクターまで『目的』が明確になっていることだと思います。

ヴァイキングたちは「戦士」として戦って散ることで戦乙女(ヴァルキリー)にヴァルハラ(北欧神話・主神オーディンの宮殿)へ導かれることを願っており、まるで武士道にも似たような死に方を切望している。アシェラッドは過去の体験から、壮大な野望を秘め、着々と実現するためにコトを進めている。トルケルは良き戦いを求めることを真に追求し、誰に就くかではなく、どこにいれば心底楽しく戦士として戦えるのか、という価値観で動いている。

その他、主人公含め様々キャラクターが自身の心と葛藤しながら成長し、自分のストーリーを信念を持ちながら歩もうとする。中でもアシェラッドの達成したい目的と行動には物語の深さを感じ、そのためには手段を選ばない行動に共感はできないが、不思議な納得感を感じてしまいました。
刊行されているコミックすべての内容はアニメ化されていませんが、私は間違いなくアニメ化されたことに深く感謝したいですね。続きが気になって、視聴後コミックを手にとってしまいましたが、本を読めば読むほど、この先を必ずアニメ化してほしいと切望します。アニメに興味がない大人もぜひオススメしたい深みある作品だと負います。

※掲載画像:(C)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会

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『ヴィンランド・サガ』の感想・レビュー・おすすめツイートまとめは下記URLより 
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※掲載画像:(C)幸村誠・講談社/ヴィンランド・サガ製作委員会


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