トマトと卵の炒め物

長年夢見るも中々手をつけなかったメニューの一つ

中華料理である。色んなレシピで見かけては、美味しそうだなぁと思い、だがこれはおかずになるのだろうか、という疑問で長年作ることがなかった。

時は満ち、最近その機会を得た。作った時のレシピをメモしておく。

冷蔵庫に古い卵があって大量に消費しなければならず、トマトが食べたくて買ってあるが何だか寒くて生で食べる気にはならない。おまけに長寝をして、起きた空きっ腹には既に袋麺を美味しくいただいており、だがこのまま眠ると栄養バランスが良くないだろう(=小腹が空いた)、何か完全栄養食品的なメニューを一品頂きたい(=ちょっとしたものなら作れそう)…ここで、この一品の出番と相成った。

おかずかどうかは分からないがとても美味しい。ビールが秒で無くなる。

2人分作って半分いただく。一人暮らしは2人分作ると残りが後日の自分のおかずになるのがとても良い。

調理

調味料を混ぜ合わせるのが一番頭脳労働コストが高いので、まず卵液に胡麻油と鶏ガラスープを混ぜておき、トマトに火を通す手順で調理をする。

当たり前だけど強火の鍋に生のトマトを入れるとめちゃくちゃ油が跳ねるので蓋で油はねを防御しながら火を通す。水気を封じる訳にはいかないので鍋に蓋自体はしない。油はねはある程度置くと落ち着いてくる。トマトは火が通るまで触ってはいけないので、トマトが静かにじゅ〜というまでの間、洗い物を済ませる。ひっくり返す時も慎重な防御が必要。ひっくり返したトマトの油はねは、比較的すぐに落ち着いてくれる。洗い物の続きをしてトマトをじゅうじゅういわせてから、そうっと卵液に落とす。トマトはとても柔らかくなっているので、かなり繊細な作業である。

レシピの訓告通り、鍋に焦げついたトマトの糖分を一旦キッチンペーパーで拭き取る。確かにこのまま卵液を入れると卵液に焦げがついてしまいそう。卵液も強火で火を通すとあるので、油を温めて強火の状態で流し入れる。常に強火。中華料理である。

入れてからややのんびりし過ぎてしまったので危うく巨大なトマト入り卵焼きになりかけたが、縁を寄せる形で真ん中の生の卵液を周りに溢し、卵液全体に火を入れる。結果的に生の卵液がトマトの周りに残ってしまう形になったので、切れ込みを入れて卵液を溢して火を入れ、それでもやや火加減に不安があったので火を止めて蓋をして30秒程余熱。強火の余熱は強くて安心、頼り甲斐がある。

それでもまだ半熟な部分があり、戸惑いながらもレシピに従い皿によそうと、よそっている間に自然にふんわりと火が入った。不思議だ…。こういうのはあまり深く考えると負けなので、考えることはやめる。

一呼吸

めちゃくちゃ美味そうに出来たので卵液のボウルやらかき混ぜ器やら、サッと洗える物を洗って一呼吸置く。鍋も下げておく。このテンションで食べると秒で無くなって虚無感に襲われることを私は知っているのだ。今はまだ上手く仕上がった満足感を少しだけ長めに味わいたい。そして落ち着いて食べたい。(美味そう!→かきこむ→虚無の連鎖を断ち切るための片付けと、虚無の後大量の洗い物を前に更に絶望が襲ってくるその絶望をソフトにする為の片付けである。)

実食

よそってみると、半量だと普段のご飯のおかず(メイン)としてはやや足りないと思われる量である。レシピではご飯にかけると良い!と書いてあるが、おかずになるか懐疑的な心と、ただ単に小腹を満たしたかっただけという都合上、そのまま頂いた。

うまい。これ…美味しい中華料理屋で食べるカニたまのベースの卵ってこんな味する…という感想まで出るような、なんか小慣れた味である。

思わずビールを開けたが、おかずに足りないと思われる量に対してビールが一本すぐに消えた。ビール消費レシピだったのか。

おかずかどうかはわからないけど、ビールはめちゃくちゃ進む。本当に意味不明に。普段、つまみになる物を作ってもビールの350mlは大抵余ってしまうのだが、(そして別の何かをつまみはじめるとビールの方が無くなり…という永久サイクルが始まる)、これはおかずには足りない量で350mlがすぐに消えた。(なんならもう一杯行けたのでは…というくらい…)ご飯は食べていないがお陰で良い具合に満腹である。深夜の夜食にぴったりだ。

調理器具を洗っておいたおかげで空いたシンクにお皿を下げるだけにして寝支度をし、満足感とほろ酔いで良い心地で寝床についた。良いレシピ。リピ確定。

パンには合う

翌日、残りをレンジで温めて、朝食にトーストと一緒に頂いた。(この手のものをホットサンドにしたようなレシピを見たことがあった気がした)

個人的にはパンにはとても合うレシピだと感じた。和洋折衷が大丈夫な方ならきっと気に入る組み合わせ。(卵と熱を入れたトマトとトースト!合わないわけがない!)

ご飯との組み合わせはまたの機会にとっておこう。加熱の手順も味付けもとてもわかりやすく、素晴らしいレシピだった。(ニチレイフーズのレシピはよく監修されているので結構利用する。ありがたい。)ご馳走様でした🥚





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