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記録_20220213

ドライブ・マイ・カーの話を、今更したり聞いたりすることが増えたので、サントラを聴きながら作業をしていると、あのドライブに戻りたい戻りたいと声が聞こえてくる。

久しぶりに研究としてキネ旬を読んでいて、私は何をやっているんだろうという気持ちになった。頑張っているのは身体を鍛え体重を減らすことであり、本来の目的「研究」は全くと言っていいほど進んでいない、ああうんざりする。しかも今年に入って全く順調ではなく悪循環は更なる食欲増加と体重増加を引き起こしている。

何をやっているのか全くわからなくなって、全てが夢のように感じることが多々ある。その度に「人生は微小な運動」だと唱えるが、いつどこで選択を間違ってしまったのか、私はこの先も間違い続け、何度も何度も唱えているのだろうか。

冬のロンドンのような天気だった。小心者の私がロンドンを旅してからもう四年がたつ。常に怯えていた。初めてひとりで海外へと行き、自由に旅することの難しさに直面した。あれがスタートだった。旅する技量を身につけ始めたのは、あのロンドンの経験、暗く楽しくない経験がきっかけだったのだ。

生活はある程度続けたら一度切らなくてはいけない。どこかに行って、この日常を改めなくてはいけない。

ホン・サンスの『夜の海辺でひとり』を観たが、間違ってしまった。この映画は完全にスクリーンで見るべきだった。劇場空間で見るべきだった。会話や空気が、暗闇に溶け、シートに溶け、観客に溶け込むこの感覚は、場内でしか起こらない魔法である。なのに私は家で見てしまった。ああ、なんて勿体無いことをしたのだろう。私はこんな感動を失ってしまったのだ。劇場で見る、最もふさわしい映画かもしれない。(それは他のホン・サンス作品にも共通するかもしれない)できればオールナイトで立て続けに観たいな。文芸坐、午前四時、アイスクリームを食べながら。(愛しい、恋しい)


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