![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/33490539/rectangle_large_type_2_14c5f7b69645dac5318f9df328c693f6.png?width=1200)
馨しく、美しく。
先日清水の舞台から飛び降りたものが届いた。
薔薇の精油。
届いてすぐに
ウキウキしながら掌に1滴落とす。
目を閉じて香りを吸い込むと
…薔薇とは思えぬ青臭い、虫みたいな匂い。
え?!嘘でしょ!
なにこれ、くさい!!!
一瞬買ったことを後悔した。
が、時間が経つにつれ、
濃厚な薔薇の香りに変化して、うっとり。
そして思い出す。
以前、あるセッションで
薔薇の香りを頑なに拒否した自分を。
(ふたりのセラピストが3つの精油を選び、その香りのオイルマッサージを受けるというもの。薔薇は4つ目の香りとして特別に選ばれた。)
その頃のわたしは、
自分には4つ目の香り(思いがけない贈り物)
それも薔薇なんていう高級なものを
受け取る価値なんかない、と思っていた。
そんなもの受け取ったら
なにが起きるかわからない!
何が別の形で代償を支払わされるに違いない!というわけのわからない恐怖もあって、
泣きながら必死に拒否したんだった。
最終的には
泣きながら薔薇の精油を受け取って、
その香りのマッサージも満喫したのだけれど。
「受け取る」ことに関しての
あの拒否っぷりが相当なものだったため、
今でも笑い話になっている。
さて、今回。
初めて自分で購入した薔薇の精油は
とんでもなく臭かった。
臭のだが、嗅がずにはいられない。
(↑今ここ)
この『嗅がずにはいられない』香り。
それは、自分が心の奥底で欲しているもの、
必要なもの(象徴またはエネルギーとして)
だったりする。
高価なもの。
贅沢なもの。
優雅なもの。
たっぷりと惜しみなく、まずは自分に。
『買う、と決めた時点でわたしはもう
薔薇の香りが似合う
薔薇の花のような美しい女なのだ。
そして、薔薇のように美しくて高貴なものを
生み出していく。』
そんな呪文を唱えながら
わたしは今日も薔薇の香りを纏う。
さて、薔薇の香りに塗れて制作する
という目論見はいつ実現するだろうか。
***
と、ここまで書いてはっとする。
美しいだけなんてつまらない!
ありきたりのいい香りなんてつまらない!
といつも思っていることに。
一癖も二癖もある、クセになる香り。
お望みどおり、やってきたってわけだ。
そしてそれは
私もクセが強いってことの証でもある
…のかもしれない。
11/100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?