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ショートストーリー

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ちいさな物語を書いています。 月や星、魔女をモチーフにした作品が多いです。 目標はいつか一冊の本にすること。
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2022年2月の記事一覧

140字小説「ことばを売る店」

いらっしゃいませ お客様 どのような言葉をお探しですか はぁ 太陽のように明るくて健やかな…

140時小説「不老不死の街」

不老不死を手に入れた人間。 次は美しさも手に入れようと化粧に余念がない。 人の欲望は尽きる…

140時小説「月のかたち」

月の事務所に新しい作業員が赴任した。 仕事は満ち欠けに応じ鋏で月の形を整えること。 名う…

140字小説「命の色」

色を消す眼鏡を掛けてみないか? 突如現れた男が言う。 巷に溢れる極彩色に疲れ切っていた俺…

140字小説「今日も無人駅で」

廃線で忘れられた駅を訪れる少年がいます。 彼は無人の駅舎で、線路で、バイオリンを弾くので…

140字小説「金平糖」

雪の日は口を開けて空を見上げるの。 お母さんは雪なんか食べちゃだめ。っていう。 お父さん…

140字小説「星の絵の具」

少年は毎晩流れ星を拾って歩く。 集めた星は丁寧に色分けして瓶に詰め、いっぱいになると朝露と月光で絵の具にする。 その絵の具で描いた絵は、朝陽や月明かりに照らされると不思議な光を放つという。そして光る絵の前で耳を澄ました者には星々の囁きが聞こえ、遥か昔の遠い星での記憶が甦るそうな。

140字小説「口は禍の元」

書きかけの原稿を前に途方に暮れる。 読めない。 意味がわからない。 一体何が起きたんだ。 …

ショートストーリー「誘う月」

水溜まりに映る月は異世界への入り口。 足元で揺れる月が 現実に疲れた男を優しく誘う。 ゆ…