車の免許は外国で
私が初めて車を運転したのは、アメリカだった。当時留学していたアメリカ中西部の田舎には、電車もバスもタクシーもUberのようなサービスもない。
病院に通うのも、お店に行くのも、毎回ホストファミリーが学校の寮まで迎えに来てくれるか、大学の友達が車を出してくれた。それが申し訳なくて、そして自由に動きたくて、車を運転出来るようになりたい思った。
(通っていた大学↑)
アメリカには日本みたいな教習所は無く、親が子供に運転を教えるのが一般的である。
私は同じタイミングで免許を取るホストシスターと一緒に家で勉強した。
筆記試験は英語だったけれど、簡単だったから一発合格した。
筆記試験に受かるとすぐに仮免許が貰える。もう1人大人が助手席に乗っていれば、もう公道に出て運転して良い。
(ペンシルベニア州のどっかの街↑)
私は年齢的に、筆記試験の後すぐに運転試験を受けても良かった。謎ルールすぎる。
しかし、人生で一度も運転したことがない私は現実的に受かるわけがない。それに危険極まりないので、少し練習してから受けることにした。
とりあえず、ホストファミリーの家の庭(とても広い)をぐるぐる運転して、アクセルとブレーキの踏み方やバックの仕方、ウインカーの出し方などを練習する。
(中西部の住宅街↑)
そして公道に出る。初めは農道などの誰も来ない道から。だんだんと街中や高速などでも練習する。
日本の運転試験よりもはるかに簡単なはずなのだが、私は2回も落ちてしまった。3回目でやっと受かり、晴れてアメリカの運転免許を取得した。
それから二年くらいはホストファミリーの車を使ってたまに運転していた。
(ピッツバーグの街↑)
大学4年に上がる時、別の大学に通う日本人が、日本に帰国するから車を手放すと言う。$400で売りたいんだけど、いる?と聞かれた私は、いる!と答えた。車ってこんな簡単に買えたっけ??
とにかく、自分の車を手に入れた私は、どこでも自由に行けるようになった。車は25年物だったから、古くてあまり長旅は出来なかったけれど、高速で30分くらいの都市に行けることはとても便利だった。オーケストラのコンサートにも行けるし、アジア食品店にも行ける。日本食が食べられる。
車を手に入れたからこそ、翌年の大学5年生の時に、寮を出てホームステイ先から学校に通うことができた。車での通学ライフはなかなか楽しかった。
(ホストファミリーの家の前の道↑)
カセットから流れるベニーグッドマンのジャズを聞きながら、アメリカの片田舎を走る。これぞアメリカ留学の醍醐味よ、なんて思いながら。
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