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地方創生とは?地域創生との違いとは?

地域創生、地主学研究家のANDY学長です。

みなさんは、地方創生というとどんなイメージがありますか?

豊かな自然、スローライフ、二拠点生活など、都会の人にとってはあこがれも多いのが地方創生ですね。

地方創生は楽しい、やりがいがある、社会貢献になる。

そんなイメージがあります。

都会と田舎の良い点やメリットを合わせれば、きっと問題は解決していくと感じるのではないでしょうか。

そして、地域にフォーカスをすると、歴史や文化、産業、企業など、過去から現在、そして未来にむけてなにをしていくべきか?

残していくべきことと、再生していくべきこと。

今回は地方創生をテーマにし、地域創生との違いを考えていきましょう。


地方創生とは?

みなさんは地方創生って言葉はどこから生まれたと思いますか?

そもそも地方創生という言葉は、2014年から使われるようになりました。

9月3日の第二次安倍政権の記者会見で発表され、臨時国会を経て、2015年より事業展開されて一般に広まりました。

※2020年度より「第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020年~2024年)が行われています。(第1期は2015年~2019年)

内閣官房・内閣府「まち・ひと・しごと創生法」


地方創生のビジョン、ミッションとは?

国の長期ビジョンは「2060年に1億人程度の人口を維持する」です。

内閣官房・内閣府『第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」』国の長期ビジョンと総合戦略


簡潔にいえば、「人口」に着目していること、また「1億人程度」という数字を掲げていることを覚えておきましょう。

次に地方創生のミッションです。

地方創生とは、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指すものです。

内閣官房・内閣府『第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」』

つまり、人口拡大と東京一極集中の是正がミッションです。

そして具体的な基本目標がこちらです。
1.稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする(雇用)
2.地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる(移住)
3.結婚・出産・子育ての希望をかなえる(子育て)
4.ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる(地域資源)

まち・ひと・しごと創生本部事務局『第2期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(2020改訂版)について(概要)』

地方創生の主な取り組みとは?

では、実際に地方創生の取り組みについて考えていきましょう。

みなさんは、地方創生の取り組みについてどんなイメージがありますか?

<地方創生のテーマ及びイメージ>
・まちおこし
・地域の雇用創出
・産業の再生や活性化
・若者や子育て世帯の誘致
・地域の魅力を引き出す
・古き良き歴史や文化を継ぐ
・持続可能な社会システムにする

といった取り組みが考えられます。

やはり雇用、移住、子育て、地域資源をそれぞれ行っていくというイメージです。

地方創生の主な課題とは?

一方で、地方創生にはどんな課題があると思いますか?

<地方創生の課題>
・東京への人口一極集中(経済)
・地域産業や企業の衰退(経済)
・駅前商店街の空洞化(まちづくり)
・グローバル化と国際化への遅れ(金融)
・少子高齢化による後継者不足(人口と産業)
・空き家や空き店舗、廃工場や耕作放棄地の増加(地域資源)

といった課題が挙げられます。

たとえば日本では、人口減少、経済停滞、国際化などの社会背景から、地方創生は、人が集まらない、もうからない、成長戦略が描きづらいといった課題のイメージが挙げられます。

地方創生の事例(ゴール)は?

地方創生とは、そもそもどんな内容だと思いますか?

おそらく、地方創生の定義や最終ゴールは、まだまだ定まっていないのが現状です。

なぜならば、「地方創生は儲かる」といった事例や、「二拠点生活」「リモートワーク」という事例を成功として取り上げるため、地域の本質的な課題を考える時間がないからです。

一言でいえば、日本国内で「人口の取り合い」が続いています。

たとえば、メディアやTV番組で考える内容、政府や自治体で考える内容をいくつか紹介します。

地方創生は「地域の持続的な発展を目指し、地域内の人々がその土地で安心して暮らし、働き、育てることができる社会を創り上げること」

JICHITAI WORKS/ジチタイワークス様

「地方創生」とは、各地域がそれぞれの特徴を活かして自律的で持続可能な社会を創ること。及び、そのために行われる施策のこと。

TURNS/ターンズ様

地方創生とは、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを目指すものです。

内閣府


新たな地域創生とは?

では、「地域創生」という言葉はどんなイメージがありますか?

たとえば、「地方」と「地域」という用語の違いについてを少し説明します。

地方=地方とは、 国内の一部分の土地。ある国の中のある地域。 大都市以外の土地。 首都以外の土地 国土交通省では「三大都市圏を除く地域」と定められている。

地域=ある観点から見た一帯の、かなり広い土地(の範囲)。「―の住民」。広くは更に、その地域が含みまたは接する水域や上空の空域も含む。

つまり、「地方創生」と「地域創生」の違いについては、現在、定義がしっかり研究されていませんので、今後の地域創生の話を少し取り上げます。

地域創生が取り組む内容とは?

私たちが新たに取り組むべき「地域創生」では、「地域社会の持続可能なシステム」についてを考えていきます。

システム=パターン化です。

つまり、現在のような町おこしで地方で人口の取り合いをするのではなく、地域が取り組むべき人口増加やインバウンド等の効果を考え、行政改革に向けた研究をしていきます。

地域創生の取り組む領域の違いを階層化すると、

人口=人口統計、出産率(地方創生:人口減少、子育て)
金融=お金の流れ(地方創生:移住)
仕事=雇用率(地方創生:雇用)
経済=財貨の生産分配消費
社会=ヒト、モノ、カネ、情報の循環
産業=生産力、特産物、グローカル(地方創生:地域資源)
国際化=輸入輸出、グローバル
まちづくり=都市計画、エネルギー、不動産(空き家等)
インフラ=水、電気、ごみ収集、公共サービス
資源=観光、福祉、環境、人材

このなかで、地域創生では「経済」「社会」「産業」「国際化」「まちづくり」「インフラ」など、地域の生命線ともいえる社会基盤を創生することを目的としています。

このシステムについてはこちらの記事もご覧ください。

さいごに、地域創生の研究から、北海道大学大学院農学研究院の協力の下、データ共有、NTTやNASAが活用する地域のデータなどを活用していくことができるようになりました。

いわゆるエビデンスづくりの点でも今後つくれる基盤ができましたので、ぜひみなさんと「地域創生」に向けた情報交換をしていきましょう。

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