見出し画像

地が固まり、花が咲き始める夫婦の絆

ビックバンが起き、雨が降り、地が固まる。
ぬかるんでいた時は歩きづらかった地面。
しっかり大地が固まることで、とっても軽やかに動ける様になるものだ。

夫婦は、ある日、大阪に飛び立つ。
大好きな仲間が主催するイベントに参加したのだ。

会いたい!行きたい!というピュアな思いは、現実を変える

妻「どうしてもこのイベントに行きたいの」
夫「午前中だと、結構厳しくない?」

妻が誘ってきたイベントは午前中に始まる。
ということは、前日仕事から夜中に帰ってきて、3−4時間の睡眠で大阪に向けて出発することになる。
夫は正直気乗りがしていない。

しかし、妻が何かをしたいというのは珍しい。
それだけ、このイベントに対する妻のピュアな思いが伝わってくる。
夫は一緒にいくことを決めるのだった。

そして、数日後。
ここでミラクルが発生する。

妻「イベントが午後からになったよ!」

そう、ピュアな思いは、現実世界を変える。
そして、そんな引き寄せが起こる時は、確実に何かいいことが起こるのだ。

一歩が踏み出せない妻

イベントでは、ミラクルとシンクロニシティーの連続が起こる。
たくさんの気づき、出会い、学び。
まるで、夫婦の行動を神様たちが見守っているかの様だ。

別次元の旅を終え、心の栄養が満タンになった状態。
夫婦は大阪から島根へと車を走らせている。
車内では会話の花が咲いている。

夫「今日のイベント、どう感じた?」
妻「楽しかった!行ってよかった。こんな人と出会ってね…」

いつもは
「楽しかった!」
で終わる妻の感想がいつになく長い。
その長さは面倒臭いと感じるものではない。
夫はハンドルを握りながら満足感に浸っている。


これまでやりたいことはなんとなくあるものの、なかなか一歩踏み出す勇気が持てない妻。
それを間近で見ていた夫はいつも歯がゆい思いをしていたのだ。

一方、妻も自覚はしていた。
なんとなくやりたいことはある。
頭ではわかっているけど動けない。
目の前で、夫がどんどん行動に移していくのをみて、何かヤキモチに近い様な感情が湧き上がる。
夫だからこそできるんだろう…
イタイ子だって思われたら嫌だな。
考えてばかりで同じことが頭の中でぐるぐるしていたのだ。

肚に落ちた妻

気づいたら、車は岡山県に入っている。辺りは真っ暗だ。

「言葉にすることが苦手」
そう言い続けてきた妻。
今はまるで少女が鼻歌を歌う様に、饒舌に思い出を語っている。

妻「これ!って思ったことを行動することが大事だってやっとわかった!」

この言葉を聞いた時、夫は心の底から喜んでいる。
なかなか一歩を踏み出せなかった妻に対して、どうしても伝えたかったこと。
これを妻は自らの行動で肚に落とし込めている。
夫は、イベントを企画してくれた友人に感謝の思いで胸がいっぱいになる。

妻の存在に気づく夫

車はすでに米子道へと入っており、間も無く鳥取県に入っていく。
蒜山高原の辺りが工事で通行止めとなっている。
夫「一旦高速降りないといけないね」
妻「仕方ないね」

すでに日付は変わっている。
明日の仕事のことを考えれば、早く家路につきたい二人のはず。
だが、むしろこの幸せな会話の花をもっと咲かせたいと二人は感じている。

夫はおもむろに口を開いた。
夫「僕が好きなのは、君の直感だよ。君がいいと思ったものは、大抵間違いがないんだ。だから一緒にいるんだ。今日もそう、あの時、行きたいって行ったから一緒に来た。そうしたら、今ここでこうやって話す機会が生まれたんだ。」
この言葉は、今生まれたもの。
むしろ、下りてきたような感覚。

妻「そうだったの?今まで自分の直感を信じきれてなかったから、なかなか行動に移せなかったの。」
夫「いや、今までたくさん直感は与えられているよ。この前、高野山に行きたいって言ってくれた。あの旅も本当にいい体験だったじゃない?」
妻「確かに!」

いつぶりだろう?
心と心を通わせあう時間がとれたのは。
二人は今まで抱え込んでいたどうしようもなく重い心の荷物を、そっと手放していた。

車はもう島根県に入っている。
真っ暗だけど、地元の景色は今までとは違うものになっている。

いただいたサポートは他の方々のサポートや、あんでぃのワクワク活動の循環に利用させていただきます。