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お遍路と高野山で腑に落ちた「おもてなしの本質」


旅館業に携わり、8年半の歳月が流れました。
それまでの仕事は長くて3年半しか続かなかったのに、なんでだろう?
という疑問を常に持っていました。

今回、高野山で宿坊体験をすることで、過去のお遍路体験と一本の線がつながり、おもてなしについて「腑に落ちる」体験をしました。
そんな気づきをシェアしたいと思います。

音声で聞きたい方はこちらをどうぞ!


お遍路をしていて、ご奉仕された経験

数年前にお遍路参りを経験しました。
お大師様が修行された、お寺を歩いて回る四国の88箇所霊場巡り。
直感で行きたい!と思い、年末年始の連休を利用して、5日間の歩き遍路でした。

その時に感じたこと。
とにかく気持ちよかった。
なぜだろう?と振り返ると、当時体験したお接待の記憶が蘇ります。

道を歩いていると、通り過ぎた車がバックして戻ってきました。
「お兄さん、これ」
と運転席から手渡されたのは一つの菓子パン。
「ありがとうございます」
と素直に受け取り、口に運んだパンは、本当に美味しかった。
身に沁みるとはまさにこのことか、と思いました。

お接待とは、お遍路さんに対する地域の方のご奉仕のことです。
お接待は「大師様への功徳」でもあり、「自分の代わりにお参りを託す」という意味もあります。
つまり、四国の方々は、お遍路さんへのお接待を通して、徳を積んでいるのです。


高野山で学んだこと

高野山では2箇所のお寺で宿坊を経験しました。
宿坊とはお寺が提供している宿泊サービスです。
普通の旅館と大きな違いはありませんが、
精進料理だったり、
朝の勤行があったり、
修行僧の方々がサービスを提供しています。

宿泊した一乗院の住職さんの言葉でこんな言葉がありました。

全ての人の心にはすでに仏様がいて、
その仏様にご奉仕している

これは「修行者が肉身のまま悟りの境地に達する行を行う」という、「即身成仏」の考え方がベースになっていると思います。

修行僧は宿泊者の仏さまにご奉仕をして、修行をしているのです。


自分の仕事を振り返ってみて

昨日は連休明けで仕事に復帰しました。
4組のお客様の夕食を提供したのですが、
今までと違い、とっても満足のいく仕事になった感覚がありました。
4組のお客様方の仏さまにしっかりご奉仕できたんだと思います。

長く続けている旅館業というお仕事。
これは、たくさんの仏さまにご奉仕する行を積ませていただいているんだということ。

そう考えると、同じ仕事だけど、今まで以上にワクワクして取り組めると感じています。


最後までお読みいただきありがとうございました。


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