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出雲大社で考えた。 今、この状況って カオス?ノモス?コスモス?

昨日はご縁あって出雲大社の権宮司とお話しをする機会をいただきました。
権宮司とは、出雲大社をはじめとする一部神社に設けられた、宮司をサポートする副宮司のような立場の方。
つまり、なかなか出会えないような神職の方です。

とっても貴重なお話を賜る中で、現状のコロナの影響下で、「カオス、ノモス、コスモス」という言葉をお話しいただきました。
これらの言葉の解釈を考えている中で、私の脳内では、古い過去の神話のお話しと、今現状のことがつながったような感覚がありました。

カオスとかコスモスってなんだ?

なんとなくの言葉のイメージしかなかったこれらの言葉を調べてみると、現象社会学者 Peter L. Berger によって提唱された概念のようです。

カオス:かたちあるものが生じる以前の原初の混沌とした闇の世界
ノモス:社会習慣や規範や法によって調和的に秩序づけられた社会や共同体のあり方
コスモス:調和と均衡に満ちた宇宙や自然界の秩序

引用:種村 剛氏サイト

また上記サイトをさらに読み進めて、ざっくりと解釈すると、
人間の秩序によってノモスがあり、
自然災害や死など、非日常的な出来事によりカオスの世界が顕在化され、
聖なるあるいは超人間的レベルを含むような規範秩序であるコスモスを構築する
といった解釈かと、理解しました。

これはまさに、古事記にも記される神話「天岩戸(アマノイワト)神話」と繋がります。

天岩戸神話を解釈してみると、

古事記に記された内容はこのようなお話です。

海を治めよと命令されたスサノオノミコトは、仕事もせずにだらけていたので、父親からでてけ!と言われます。
仕方なく、秩序だった天上界に姉のアマテラスオオミカミを訪ねます。
天上界では、たんぼの畦道を崩したり、溝を埋めたり、大切な神殿に自分の糞便を撒き散らしたり、といろいろやらかします。
そして、とある女性を死に至らしめることから、アマテラスオオミカミは呆れかえり、天岩戸という洞穴に入り、大きな石で入り口を閉じてしまいます。
太陽神が隠れることで地上は真っ暗。
困った神々が話し合い、宴を行います。
どんちゃん騒ぎの末、気になったアマテラスオオミカミが石を少し開けて様子を眺めます。すると、力のある神様が岩を放り投げ、アマテラスオオミカミを引っ張り出し、世の中に光が戻ります。

ヤマタノオロチを対峙するスサノオノミコト。
天上界ではそうとうやらかし王なんですよねw
おねえちゃんにめっちゃ迷惑かけてる。

話がそれましたが、このお話って、

ノモス:スサノオノミコトが訪れる前の天上界
カオス:スサノオノミコトがやらかし、闇に落ちた天上界
コスモス:光が戻った天上界

として、解釈できるのではないかなぁ、ということです。
コスモスが生まれるために、スサノオノミコトの存在は必要不可欠であったのです。

コロナ禍の現代

これを現代に当てはめてみると、

ノモス:コロナ前
カオス:コロナ騒ぎ(3−5月くらい、緊急事態宣言のあたり)
コスモス:コロナによる新たな基準ができた今現在
(ソーシャルディスタンスなど)

という風にも捉えられるのか、と感じました。

「どれがいい・悪いと判断するものではない」
と仰っていた権宮司さん。
「ノモスがあって、カオスがあり、カオスがあって、コスモスがある
。闇があるからこそ光がある。」
とおっしゃっていたのが非常に印象深く心に残りました。

コロナが起こったことをよい・悪いと二元論で語ることなく、あのカオスがあったからこそ生まれた秩序や気づきがあったと捉える。
その姿勢こそ、ただただ悲観的に世の中を捉えることなく、建設的な考え方ができるんだろうなぁ、と思ったのでした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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