20年越しの母親からのプレゼント
「お金に対する感情や価値観について真面目に考えたことなかったかも…」
そんなことを今更ながらに思い、読み始めた一冊の本から新たな発見がありました。
お金に関する質問を投げかけてみた。
神田昌典さんが訳されているお金のシークレット。
「あなたとお金の関係」をテーマにしており、お金に対する価値観を見直させてくれる良書です。
途中、こんなワーク(質問)がありました。
「あなたのこれまでの人生の中で、お金に関する重要な経験を三つあげてください」
「三つの経験を振り返って、一つ一つの経験にどんな感情が結びついていたかを思い出してみてください。それぞれがあなたにとって重要な経験なのはなぜですか?」
なかなかこんな質問を投げかける機会はないですよね。
早速取り組んでみたところ、、、びっくり!
過去のお金に関わる出来事が、現在のコーチング活動につながっていることが判明したのです。
もっと海外を見てみたい!
話は大学3年時に遡ります。
当時の私は、
「このまま就職したら後悔する。海外でもっと知見を広めていきたい。」
そう考え、就職活動をストップ。
オーストラリアへのワーホリを決意しました。
渡航費用や語学学校費用を含めた数ヶ月の生活費は自分で貯めることにしました。
しかし、1年間休学するためには、半年分の学費が必要であると判明…
私大に通わせてもらっているものの、我が家は決して裕福ではありません。
余裕がないことはわかっていたので、親への相談は悩みました。
しかし決意が揺らぐことはなく。
改めて親に頭を下げて、学費のことをお願いしました。
真面目にお願いごとをしたのは後にも先にもあの時だけだったかもしれません。
すると、母親は最後まで話を聞いて、、、
頑張りな、と一言。
半額分の学費はどうにか出してもらえることになりました。
その後は必死にアルバイトでお金をためました。
目標が決まった私はまさに夢へ一直線。
半年間であっという間に渡航費用は貯めることができたのです。
父危篤!すぐ帰れ!
貯金や渡航の準備も落ち着き、遠方の友人を訪ねて旅行していた時のこと。
母親から携帯電話に着信が。
何か嫌な予感がしました。
動転した母親の声が耳に届きます。
「お父さんが倒れたから、早く帰ってきて!」」
青天の霹靂とはまさにこのことでした。
急いで帰宅すると、父は脳梗塞を発症していたことがわかりました。
一命はとりとめたものの、後遺症が残ることは避けられない状況。
そんな状況になったら、普通なら父親の心配しますよね。
でも、その時の私が思ったこと。
「父親が働けなくなる。大学の休学は難しいかもしれないな…」
本当にお恥ずかしい。
当時の私が考えられたのは自分の未来だけでした。
目標に対する焦りと不安。
頭の中にあるのはそれだけでした。
母親の後押し
海外への思いは募るものの、自分のわがままは言ってられない。
早めに就職しなければいけないな、という気持ち。
後日、落ち着いたタイミングで母親と今後の相談をしました。
なかなか切り出せずにまごまごしている私。
その気持ちを察してか、母親が先に口を開きました。
「あなたがやりたいと思ったことなんだから、行きなさい。
家のお金の心配はしなくていいから。」
え?と聞き直しました。
まさか、こんな言葉をかけてもらえるなんて思ってもいませんでした。
そして、その時に決意したのです。
母親の思いにしっかり答えよう。精一杯楽しもう。
せっかく母親から後押ししてもらったチャンスなんだから。
ここで冒頭の質問に戻ります。
一つ一つの経験にどんな感情が結びついていたかを思い出してみてください。あなたにとって重要な経験なのはなぜですか?
私は、まっさきに大学時代の父親が倒れた経験を思い出しました。
その時結びついた感情は焦りと不安。
そして、この経験が重要なのはなぜか?
この経験をきっかけに、母親から自分の目指すべき道の後押しをしてもらったからです。
母親の後押しが今につながっている
今はコーチングを通して、様々な方と関わらせていただいています。
コーチングはまさに人の目指すべき道を後押しする行為。
今となってわかるのは、
私が母親にしてもらったことをそのまま、他の誰かにしていきたい
そう思っているのではないか?
ということです。
「やりたいことはあるけど、何かが引っかかって前に進めない。」
そんな悩みを抱えた方の心のブレーキに気づくお手伝い。
そして、アクセル全開で前進できるように寄り添うこと。
それが、20年近くの時を超えて、母親から後押ししてもらったプレゼントなのかもしれないな、と思うのです。
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